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音楽を中心に雑多に書き散らしてるブログ。

Title:鵺-chimera-
Artist:ギルガメッシュ
Release:2016/1/20


-Track List-
01. Introduction
02. slip out
03. 鵺 -chimera-
04. wither mind
05. Horizon
06. END
07. Bonus track. Big Bear Remix from gravitation



“その目に焼き付けろ 俺が生きた姿を”

2016年7月10日、『girugamesh ONEMAN TOUR 2016 “鵺 -period-”』を以てギルガメッシュは解散した。12年の活動に終止符を打つことに未練を微塵も感じさせない完全燃焼でスッキリと幕を下ろした、実に彼ららしい痛快なラストライヴでした。まずは12年の活動お疲れ様でした。わたくし個人としては、兄妹が同士となりバンドを楽曲を語り合い楽しむ機会を与えてくれた事に感謝したい。本当にありがとう。


俺たちは2016年7月10日に解散します。
でも、俺たちが生みだした曲たちは永遠にこの世に生き続けます。
この先みんなの大切な人、家族、友達に「こんなカッコいい曲あるんだよ」、「こんなカッコいいバンドいたんだよ」って語りつないでいってくれたら、俺たち12年間やってきた意味が持てます。
これからギルガメッシュを生かすも殺すも、ここにいるみんな次第だからな!


―アンコール Vo.左迅のMCより―


ここでこんな事を言うのもアレなんだけど、わたくしにとってのギルガメッシュって好きだけど特別一番とかじゃないのよね。メロディアス且つプログレッシヴでポップネスが在るJanne Da ArcとかSeventh Wonderとかがやっぱりわたくしにとってのヴェルタースオリジナルなのよね。とは言え、それ等と同等なくらいに心に残ってる楽曲が幾つもあるのがギルガメッシュってバンドの不思議な所と言うか、ホント何なんでしょう?

アンコール中のMCで左迅が語りかけてくれた様に、生み出された作品はただそれだけで存在の意味は持たなくて、誰かが語り継いでいく事で初めて存在の意味を持ち、それこそ生き続けるモノだと彼の言葉に共感したものでした。辺鄙なところで趣味で文章を綴っているわたくしに出来ることは、語ること、それしかないのです。それでは現時点での最新作であり最終作でもあるミニアルバム『鵺-chimera-』について。

『鵺-chimera-』は鵺(ぬえ)と書いてキメラと読む。ヌエとキメラでは組み合わせの動物が違うし、鵺の伝承も諸説様々ありますが、ここではシンプルに合成獣という捉え方で問題ないでしょう。ラウドネスとポップネスのバランスが優れた傑作である13年発表『MONSTER』である種の迷走期から見事に軌道修正を果たし、翌14年には『gravitation』で原点回帰どころか過去最高のラウドネス/ヘヴィネスを発揮し、わたくしを驚かせ感動させてくれた事が記憶に新しい。

では『鵺-chimera-』はどんなもんじゃい?と言うと、『gravitation』の路線をそのままアップデートしたかの様に見せつつ、過去の暗黒面を汲み取った不穏さや禍々しさといった負のエッセンスを加えた、まさしく合成獣の如く牙を剥いた作品に仕上がってると思った。中でもやはりリードトラックの#3「鵺 -chimera-」がそれだと思う。重厚なボトムに支えられたバッキングで以て動と静の緩急を効かせた楽曲展開に、サビは鬱屈とした主題メロディーを背に左迅がクリーンで伸びやかに歌い上げる、これまで在ったようで無かったようなプログレッシヴな楽曲だ。特にわたくしはこのサビを彩る主題メロディーが中々にデプレッシヴで気に入ってる。それからやはり2サビ後の怒涛の展開が素晴らしい。怒りを燻らせながら徐々にボルテージを高め、ブレイクから鬼の形相で吐かれるグロウルと共にブルータルに雪崩込んでいく凄まじさは実に痛快だ。歌モノDjentのお手本みたいなダーク・バラッド#6「END」も特に気に入ってる。オルタナティヴ・ヘヴィさながらの重厚な刻みにデプレッシヴ且つリリカルなメロディー、それらに溶け込む左迅の囁き語りかける様なクリーンヴォーカルと慟哭の様なグロウル、スロウチューンでありながらも耳を引く要素が沢山有り、丁寧に創り込まれた跡が聴いて取れる。他、禍々しく攻撃的な#1「slip out」、トランスコアとDjentの刻みを彼ららしく昇華した#4「wither mind」、ダンサブルでご機嫌ハイテンションな#5「Horizon」と色濃いナンバーが揃っていて、バンドの円熟味を感じさせると共に、この先未来に期待を持たせてくれた。それがリリース後にヘビロテして抱いた1月時点での率直な感想(ぇ



“君の中でそっと この歌声ずっと 生き続ける様に”

2016年7月10日解散したその翌日からこの1週間、特別一番でもないと言った筈のギルガメッシュが無性に恋しくなってずっと聴いてきた。それから歌詞もなんとなく読み直していた。特に作品のエンディングをバラッドで飾る#6「END」は、"この先未来に期待を持たせてくれた。"なんて随分ズレたこと感じてたんだなぁって思ってね。深読みし過ぎずに正面から向き合えば、これかなりストレートにバンドの終焉を歌っていたんだね。

あぁ 形ある物は壊れ
君の中でそっと この歌声ずっと 生き続ける様に


2Aメロの歌詞。ここだけ左迅のヴォーカルにエフェクトが掛かって霞ませるアレンジをしてる。つまり、お前ら特にここを聴いてくれ!ってことでしょ?サビ→オルタナティヴ・ヘヴィな間奏の後に重厚なバッキングがスっと引いて、ここだけ儚くリリカルに響かせるの滅茶苦茶ズルいよなぁ!このコントラスト超あざとい!だから、この曲スロウナンバーであろうが大好きなんだよね。ラストライヴを観た後だと、MCで語った言葉とここのリリックが重なって聴こえ、ちと胸が痛む。"君の中でずっと この歌声ずっと 生き続ける様に"、これがギルガメッシュの祈りであり願いでもある。合成獣の如く醜く美しさとは無縁の最低最悪のバンドだったけど、なんだよ最後の最後でとびっきり美しいリリック遺しやがって。ほんと、素敵。。。

目を背ければ楽だよ でもね
今日もどこかでまた一つ 生きる事を諦めた命が
限られた時間の中 歌い続ける
希望をくれたのも 奪ったのも君だった


わたくしね、ここの冒頭を"でもね"で切り返すところが凄く好きなんだ。言葉の響きが凄く優しくて胸を打たれる。恐らくこの作品がリリースされる前には解散は決定していたんだと思う。リリースされる1月20日から国内ツアーとユーロツアー、そして7月10日のファイナルまで"限られた時間の中 歌い続ける"って事だったのかなぁとも読めてしまって。それから最後の"君だった"を私はファンと詠む。ファンという存在はバンド側にモチベーションを与えると同時に、ある時を堺にプレッシャーを与える存在でもあると私は思ってる。彼らなりの感謝と悪態の表れかと思うと、ちょっとフフってなる(笑)。

その目に焼き付けろ 俺が生きた姿を

合成獣の如く醜く禍々しいグロウルで慟哭する最後の一節は、解散後の今なら最後の別れの言葉だったと受け取ることができる。

ギルガメッシュってバンドはおつむが良いバンドでは無いし、楽曲も不格好だったし、クオリティーの高さ?なんて基準が曖昧なモノサシで測ったとしても、まぁ優秀であるとはとても言えない。でも、彼らの音と言葉には力があったと思う。我々の心に直接ぶつけてくる歌詞と歌そのものに爪痕を残す力があった。冒頭で"ギルガメッシュってバンドの不思議な所"と自己への問いかけをしたけど、今回書きながら整理していて不思議が鮮明になった、と思う(自己解決)。
海外での人気、特にユーロ圏での人気を獲得していたにも関わらず、全編英詞バンドに陥ることなく日本語詞で貫いてきてくれたこと、そこは大きく評価したい。一音一文字の日本語詞特有の響きが好きなわたくしにとって非常に大事なこと故に。わたくし達兄妹は確かにギルガメッシュの音楽を、歌詞を、噛み締めるように心に刻んで聴いていたよ。特別でもないとか言ってごめんなさい。アナタ達は充分特別な存在だったよ。失って初めて知る、ではダメなんだよね。

12年間お疲れさま!そして、ありがとう!







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