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音楽を中心に雑多に書き散らしてるブログ。
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来月は上半期ベストなので、ここいらでちょっと備忘録をやっておきましょうか。



Title:My Graduation Toss
Artist:さくら学院
Release:2013/2/27


 出会いと別れ、人生の境界線が引かれる春うららな季節は桜や卒業と言ったありふれた歌曲が街に溢れかえる。“桜(さくら)”の名を冠するこのさくら学院が発表した新曲も例外ではない。しかし、そこに感動と幻想を生み出すことに成功している。やはりさくら学院の方針(システム)は優秀だという事を実感せざるを得ない。現実世界での義務教育を終えると同時に、平行世界のサクラ学院を卒業する。本来夢に生き、夢を視せる存在を限りなく現に接近させる事で、非常にリアリティーのある疑似体験を私達に体感させてくれる。ある意味時の流れを残酷に感じさせる期間限定のシステムは、学院生たちの一瞬一瞬を輝かせる化学反応を起こす。その姿は無機質な偶像などとは程遠く、今を精一杯生きて表現するヒトそのもので、オーガニックな温かみを持った新種のアイドルと言える。アイドルとしての儚さと青春の儚さが見事にシンクロした「My Graduation Toss」で会長中元すず香の旅立ちに花を添える。ブリグリ夫妻は非常にいい仕事をしたと思う。上半期アイドル歌謡で聴いておきたい一瞬の尊さが詰まった一枚。



Title:CUE
Artist:9nine
Release:2013/3/13


 アイドル乱舞の予習として買った音盤。ちなみに私はひろろ推しである(聞いてない)。エレクトリカルなダンス面を強く打ち出した前作『9nine』よりもポップでオーガニックな作風に落ち着いたご様子のメンバーチェンジ後の2枚目。トータルとしてのバランスは以前よりも良くなったが、逆に良くも悪くもパンチ力が弱いのは、それなりにキャリアのある彼女達の表現力を重視した結果か。とは言え、5人のユニゾンによるハーモニーは耳に優しく聴き心地が良いからサラッと最後まで聴けてしまう。ひとり一人の特徴的な歌声の良さは言わずもがな。歌のエモーショナルさは他のグループではここまで打ち出せんよ。楽曲面ではクリスマスソングの「White Wishes」が非常に気に入った。楽曲として美しくて、何もかもが完璧で驚いたなぁ。静寂のブレイヴネスと歌の甘いメロウネスのコントラストが強力な「Brave」も捨て難い。しかし、このアルバムのオチ(オチ言うな)がシュールな「イーアル!キョンシー feat.好好!キョンシーガール」だったのは吹いた。まぁ、意外とアホなことやる9nineが気に入ったから結果オーライである。最後にPV集の「チクタク☆2NINE」のひろろが超可愛いと記しておこう。



Title:CLARITY
Artist:ZEDD
Release:2013/2/27


 敏腕若手DJゼッド君のデビュー作。彼の遍歴は興味深くて、ブリティッシュ・ロックのMuseに始まりグルーヴ・メタルのMeshuggah、そしておフランスのプログレ/エレクトロ・デュオのJusticeと通過してきたようで、あぁなるほどね(笑)と思った。ロックからエレクトロへの傾倒の道筋としてはあながち間違っちゃいない、分かる、私には分かるよその気持ち。ある意味変態的な遍歴ではあるが、それとは裏腹にキャッチーなヴォーカルがフィーチュアされた聴いても体感しても気持ち良いEDMだ。あくまでも楽しい作品を作ろうと言うシンプルな気持ちが伝わってくる。表題曲「Clarity」のアンセム感漂うムードとFoxesのエモーショナルに満ちたヴォーカルは堪らない。「Fall Into The Sky」のアトモスフェリックな空間とバウンスするビートも快感だ。国内盤のボートラには初音ミクをフィーチュアした「Spectrum」が収録され、ジャパニーズ・サブカルチャーへの目配せにも余念がない。アンセム感半端ない。ねぇねぇ、ゼッド君や、いつか女子流ちゃんにもリミキサーとして参加して下さいよ(願望



Title:ALL IN BLACK
Artist:Kiyoshi Sugo
Release:2013/4/10


 今のEDM界隈って国内にも結構凄いアーティストがいる。その一人がKiyoshi Sugo君で、国内でもここまで凄いのが聴けるのには流石に時代は進んでいるなと実感せざるを得ない。いや、今や外より内に耳を傾けるべきなのか。抉いダブステップからエレクトロ・ハウス、癒しのチルアウト・アンビエントからチルウェイヴの淡いサウンドスケープまで何でも御座れの姿勢はある意味日本的な感性やもしれない。女性ヴォーカルをフィーチュアしたアトモスフェリックなサウンドスケープと激烈のダブステップの美と醜のコントラストが凄まじい「Resonates」には一撃でヤられた。かと思えばチルウェイヴィーな表題曲「All In Black」の神々しさよ、こりゃ凄いよスゴウ君。ねぇねぇ、スゴウ君や、是否女子流ちゃんの楽曲をリミックスして下さいよ、マジで(切実な願望



Title:黒紅少女の優雅な哀史
Artist:AIHISNA
Release:2013/4/29


 シンフォニック・ゴシック・メロディックでリフとドラムだけブルータルなデス・メタルのAIHISNAの通算4作目。前作『虚空少女の夢幻神話』は北欧様式美の息吹の高い壁を超えなくてイマイチ響かなかったが、今回のは良い。いい加減マンネリズム、されどマンネリズム、それで良い。なんだかロマサガ~サガフロのmidiアレンジ音源をひたすら漁っていた遠い昔の記憶が蘇ってくるのだ。Demetoriほどではないにしろメタルとしての聴き所を押さえるセンスが良い。例えば表題曲「黒紅少女の優雅な哀史」の1:54~2:26までのスピーディーな展開の中で繰り出されるリフに、久しぶりにおっ!?って興奮を憶えた。しかし、ベスト・オブ・キラーチューンは「悽愴少女の冲融幻想曲」一択に決まっているのだ。聴き給えこの素晴らしき四魔貴族感を。同人音楽のメタルで私はこういうのが聴きたかったんだよ!!あの頃の熱い気持ちが蘇ってくるんだぜ!ストリングスは古き良き昭和歌謡の文脈を継承したクールな佇まいでいながら、ギターとのリフの応酬とユニゾンが超熱いんだから堪んねぇよ!傑作『大罪少女の十字架刑』の様な可憐な煌びやかさが恋しいが、ギター・リフとストリングスのシンプルな構成で聴かせられる様になってきたのは大いに評価したい。



Title:Rouge Chocola
Artist:Cleshe
Release:2013/4/29


 溺愛最期の砦、音のアルカディアの一角を担うCleshe原点回帰の5作目。ここ二年程続いた病的な創り方から自らを開放して、改めて気楽に楽しめる作品を完成させてきた。相変わらず自分たちの好きな様にを貫く姿勢が好きだ。確かに2nd~4thまでの頭が痛くなるコアに病んだ作品像から離れて、気持ちを軽くして聴ける作品だと思った。思ったのだが、さてジャケットの娘は誰でしょう?と妄想を始めていくと、陰でClesheが北叟笑んでいる様な気がしてならない(被害妄想)。何故なら、分かる人には分かるように仕掛けているんだもの、かの魔術をね。本当に私を楽しませてくれるよClesheは。「Mensonge―退屈な遊戯―」や「地籟現象」であのフレーズが出てきたのには思わずニヤけてしまった。しかし、「地籟現象」が持つ闇と病みと美のコントラストはかのN.C.ACSの凄味と似た凄味を放つものだから驚きもある(以前から薄々感じてはいたが)。危険な香りが漂う「僕の愛しいフィーネ」のニュー・ウェイヴ・クラシカルな佇まいさえもN.C.ASCの凄味と重なって視える。『アムヴェリテの鎖』を通過して本当に深化してしまったんだな。ここまで綴っておいて一番面白い楽曲が「水沫」というオチ。これでClesheは確実に新しい境地を拓いたと言える斬新なアイデアが詰まっている。やはりClesheは独創性に優れたサークルだ。



Title:春蕾
Artist:Chocolatte
Release:2013/4/29


 今まであえてここで触れてこなかったが、Clesheの別名義Chocolatteの4作目。それぞれにそれぞれの世界観がある。だから、彼らはこうやって好きな様にやりたい事を差別化して分けている訳です。器用な人たちだ。今回どういう訳かClesheサイドを上回ってしまった。制作期間ェ。。。表題曲「春蕾」のなにこのイノセントな佇まいは!?なにこの泣かせるメロディーは!?なゆな嬢の優しい声色はClesheでは絶対に聴けない。まさかのスウィングするグルーヴで踊る「恋のルーレット」もClesheでは聴くことはないだろう。新鮮。恋の駆け引きもChocolatteの流儀で綴られているし、Clesheとの住み分けが徹底している。今回はシンプルに良い作品だった。それにしても専属グラフィッカーが違うのに共通して日傘とはなんたるデスティニー。とことん面白いサークルだよ。



Title:MIKU
Artist:ATOLS
Release:2013/5/3


 遂に出たヒューマンビートボクサーATOLS先生の初音ミク音源集。この日をどれだけ待ちわびた事か。プログレッシヴな感性を以て構築されたATOLS流の斬新なミクトロニカのベストアルバム的な作りだが、どれもが独創的なアイデアが詰まっていて胸が踊る。逆再生の異名を持つ代表曲「バベル」の終盤カウントダウンからの急転直下は何度聴いても刺激的で病み付きになるし、愛溢れた故に生まれた「マカロン」も気付けば歌口ずさんでいる。「ワンダラーズ」のヒューマンパーカッション以外はミクをシンセ化して鳴らすと言う前衛的なアイデアにはもはや脱帽である。これがATOLS先生の凄味よ!凄味はエレクトロだけに留まらず、以前から大好きな「オメガ」の様なプログレッシヴ/エクスペリメンタル・ロックでも凄まじいドライヴ感を以て魅せてくれる。神々しいダブステップ・リミックスも堪らん!ボーナストラックは大容量の13曲…ボーナスってレベルじゃないよ先生。しかも、ボートラサイドの方がガチだから笑えない。ねぇねぇ、ATOLS先生、女子流ちゃんのリミックスお願いしますよ(まだ言うか



Title:Peace of Cipher+
Artist:ELECTROCUTICA
Release:2013/4/27


 スーパー・クリエイティヴ集団ELECTROCUTICAの再編版シリーズの最新作。彼らはリスナーに自分たちの作品をどうやって届けるかを真剣に考え行動し体現している稀有なサークルだ。流通だけに限らず、リスナーが手に取って嬉しい価値あるモノを創ろうという姿勢を私は評価している(モノ作りの基本中の基本だがな)。勿論、エレクトロニカでありながら既存の枠組みに留まらない斬新なアイデアが散りばめられた楽曲も評価している。プログレやジャズ・ロックの如くジャムセッションのスリリングな表現に心酔しているし、甘いメロウネスに満ちた端整な音の調べに心が浄化されるし、複雑な楽曲展開の割に強力なポップネスが響く歌に幸福で心が満たされる。逆再生の衝撃以来追い続けてきたが、やはり大好きだ。手放しで推薦、音楽の面白さ楽しさここにあり。



Title:Sweet Splash!!!
Artist:Agemusha
Release:2013/4/28


 音のアルカディアの一角を担い、Lemm氏と並んで私をスウィート・ミクの虜にさせたほのづき氏の2作目。前作『SWEETOPIA』のコンセプチュアルな歌物語で構築した統一された世界観から離れて、「Sweetは囁くだけじゃない!」とスウィート・ミクの可能性を追究する作風へと変貌した本作。良いねぇ~その探究の精神大好きだよ。従って、絵本を読む感覚に似た童謡は無くなってしまったのは非常に惜しいが、代わりに音楽作品としての自由度が格段に向上している。また、前作とは違いアコースティック・ギターを強くフィーチュアしているだけあって、オーガニックな質感に包まれていて非常に聴き心地が良い。ポップ・ロックからポスト・ロックにドラムンベース、キャッチーなジャズ歌謡の果てはファンクと薄暗プログレを行き来する大作「KAZENOHI」で放つ凄味ェ。構築センスがプログレのそれで俺歓喜!そして、極めつけはブラックネスに満ちた暗闇を切り裂く「君に捧ぐ」カバーの大空を駆け回りたくなる程の超キャッチーさよ。アルバムの構成から見ても確信犯的なキラーチューンだ。今回何故カバーしたのかは、アルバムのコンセプトを考慮すれば納得がいく。愛だよ、愛なのだよ。微睡みを誘うメロウな「ミルクスタンド」の優しい余韻もニクい。やりたい様に自由に創られてはいるが、自由に踊らされず、ほのづき氏の独創性も息づいた優秀な作品だ。



Title:PATHFINDER
Artist:Early Cross
Release:2013/2/14


 国産プログ・メタルの1作目。当社発足時から贔屓し続けている北欧第七の奇跡Seventh Wonderと同じくモダン・プログレのインディー・レーベルLion Musicから目出度くリリースとなった。Lion Musicと言えば度々ミックス面でしょっぱい思いをしているのだが、彼らが迎えたのは当社贔屓のAnathemaやCircus Maximusでも知られる敏腕若手エンジニアのChrister-André Cederberg大先生なのだから俄然期待も高まるというもの。日本にもちゃんと耳の良いバンドが居たんだなぁ。という訳で、音質の素晴らしさは言わずもがな、やはりバンドが奏でる楽曲のレベルの高さもよく表れている。ダークなプログ・メタル「Ashes and Yarrow」「Cry Havoc」のそうそうそのリフ!感にニンマリ。Landscapeと呼称される独自性はなるほど、フォーキーでニューエイジの神秘的な質感があり、Natasha嬢の艶のある情感たっぷりのヴォーカルとのシンクロ率も非常に高い。静から動へとドラマティックにダークに展開していく14分大作「The Pilgrimage」の構築美も素晴らしい。日本からここまでの完成度を誇るプログ・メタルが出ようとは面白い時代になってきたじゃないの。2013プログ・メタルのマストな1枚。



Title:PELAGIAL
Artist:The Ocean
Release:2013/5/2


 独逸産ポスト・メタル/エクスペリメンタル・メタルの6作目。エンジニアはまさかのJens Bogren大先生という。ポスト系を先生に料理させたらどうなるのか?という疑問はあったが、なるほどこうなるのか。4作目『太陽中心説』と5作目『人間中心説』と宇宙を舞台にスケールの大きな作品を発表してきたが、今回彼らが舞台に選んだのは『大海洋』で『深海』だ。宇宙はロマン、深海もロマン。彼らから言わせてみれば≪深海は宇宙だ!≫って事なんだ。アルバムの進行と共に物語は海の深淵へと進んでいく。ブックレットにも楽曲の表題に合わせて水深を示した図が用意されていて芸が細かい(笑)。流石独逸、変態だな。水深700m付近で繰り広げらる「Mesopelagic- The Uncanny」の甘々のメロウネスと熱いラウドネスに痺れる。シンプルに格好良い。水深2600m付近へ到達すると「Bathyalpelagic II- The Wish In Dreams」と「Bathyalpelagic III- Disequillibrated」でプログレッシヴでマス/エクスペリメンタル色が強く表れ、マストド~ン宜しくのスラッジさにメシューガ宜しくの鬼神グルーヴのテクニカルさ満載でニンマリ。水深11000mに到達する頃には全身を水圧宜しく音圧で潰すスラッジ・メタルが襲いかかる。音で語る深海浪漫、2013ポスト・メタルのマストな1枚。



Title:EPITAPH
Artist:QUADROPHENIA
Release:2013/4/29


 エピタフと言えばKing CrimsonやKrik/Krakを思い出す(どんな組み合わせだよ)。次世代スーパー・クリエイティヴ集団QUADROPHENIAの墓碑銘を何とするか、とすればやはり≪ハイパー・エレクトロニカ≫だろう。神秘的なサウンドスケープのイントロダクションに続くゲストQ flavor氏による「Password」の圧倒的ハイパー・エレクトロニカさ、凄まじいまでの幻想的な音の包容力に脱帽である。メンバーの宮沢もよよも負けてはいない。そのプログレッシヴな感性が研ぎ澄まされたポップ・エレクトロニカ「祝祭と流転」の意外性のある展開と耳に焼きつく超ポップな歌メロは墓碑銘に刻むハイパー・エレクトロニカそのものだ。シェイクのビートが印象的な村上くるるによる「アニマ」の浮遊感と揺らぎもヤミツキになる。



Title:AMARGA Tarde/AMARGA Noche
Artist:Especia
Release:2013/5/22


 もーホント大好きだ。アーバン・ファンクを奏でるEspeciaの待望の2作目となる2種のEP。一部内容が異なるだけで共通のトラックも多いだけの2種類ではあるが、これを単なる商業主義的な見方で切り捨てることは出来ない。何故ならばEspeciaが武器とするアーバン・ファンクを二通りの聴かせ方で提示しているからだ。音楽と言うのは聴く環境のムードが非常に重要だ。それを本作を以って彼女達は改めて教えてくれる。西日が差す夜の帳が下りる直前の夕暮れ時に気持ち良く響くTarde、暗闇のドレスを纏い照明を着飾った街並がセクシーなNoche、その時々の気分やムードで聴きたい盤を選ぶ選択権を与えてくれる。Tardeは「スカイタイム」「オレンジ・ファストレーン」、Nocheでは「MIDAS TOUCH」がそれぞれ珠玉の出来栄えで実に気持ち良い。素晴らしい!センターに位置する「パーラメント」はこれぞEspecia流アーバン・ファンクなサウンドでイントロダクションからもう鳥肌が立つ。歌も超エモーショナルで堪らない。Especiaがここまでムードを重んじるグループだったとはたまげたなぁ。本作を以って私の中で【東の女子流】と【西のEspecia】という立ち位置が確定した。新たな音のアルカディア誕生に乾杯!

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竜美 悠(You Tatsumi)
サンキュー!
アラーイさーん♪

島に転職しました。
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