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音楽を中心に雑多に書き散らしてるブログ。

Title:運命/ワンダフル スマイル(新井ひとみと松島湾子)
Artist:東京女子流
Release:2013/6/5


-Track List-
01. 運命
02. ワンダフル スマイル(新井ひとみと松島湾子)
03. ふたりきり -Royal Mirrorball Mix-
04. 運命(Instrumental)
05. ワンダフル スマイル(新井ひとみと松島湾子)(Instrumental)
06. ふたりきり -Royal Mirrorball Mix-(Instrumental)

-Total 31:47-



 女子流ちゃんこと東京女子流は私にとって間違いなく音のアルカディアの頂点だった。しかし、それも『運命』までの話だ(これについてはまた別の機会にお話しよう)。現とは果てしなく鉛色に染まった生き辛く鬱屈とした世界だが、せめて夢の中だけは白と黒がはっきり分かれていても良いのではないか。そうやって白と黒のコントラストで歪な幻想を視せてくれる東京女子流というグループはやはり私にとって貴重で心地の良い存在だ。2013年BEST最有力候補『約束』より約5ヶ月振りのリリースとなった『運命』は、ブラックネスとイノセンスの二面性が強く打ち出された東京女子流らしい逸品だ。


~Phase 4 『運命』~

 Phase 3の集約『約束』を経てNEXT女子流への序章となる『運命』は相変わらず黒いグルーヴが複雑に絡み合う強烈な楽曲だ。3rd JAPAN TOUR 2013 『約束』での先行披露で感じた印象は、正直に言ってらしさはあるが地味だった。が、聴けば聴くほど楽曲の強度、味わい深さに気付くにはさほど時間は掛からなかった。ただ、何故『運命』なのか?を語る術、導き出す術が私には無く、暫く沈黙を貫くしかなかったのだ。なぜならば運命とは明確な根拠を以て語らなければ完成しないのだから。
 『運命』は≪東京女子流サウンドのど真ん中≫と自ら語り、我らがべーやま隊長こと山邊未夢がNJS(ニュー・ジャック・スウィング)と形容している。確かに、悪の華こと『Bad Flower』の様なやや駄長気味で退屈ならしくないロック・サウンドから、ブラックネス/ファンクネスを強烈に打ち出し、仄かにポップネスを加味した東京女子流のオリジンへと回帰している印象が強く、楽曲の強度は相当に高い。まずはサウンド面からNEXT女子流はオリジンへの回帰と見ていいだろう。ただ、それだけでは根拠が足りない。もう少し探究してみようか。
 ここで何故『約束』からの『運命』なのか?がポイントとなる。そして、材料はしっかり『約束』にて示されていた。かの楽曲を私は≪遠く離れた友達同士か或いは友達以上恋人未満の男女のお話≫をメルヒェンに置き、そのアレゴリーを過去と現在と未来への女子流を繋ぐ≪初心忘れるべからず≫とした。その結果がNEXT女子流≪東京女子流サウンドのど真ん中≫であり、オリジンへの回帰だったと言う訳だ。しかし、それもサウンド面だけのお話で、更にヴィジュアル面でも提示されていた。運命と呼称される言葉から連想するものは何か?そう、紅い糸だ。薄暗く落ち着いた色彩の『約束』MVで一際目を惹く小指に結ばれたあの紅い糸こそそれだろう。そして、それは何処へと繋がっていたのか?「運命の紅い糸」、即ちこの『運命』なのではないか。さて、仕上げにもう一丁。『運命』では東京女子流が再び強気な大人の女性をアンビバレンツながらに演じている。一方の『約束』の視点はどちらとも取れるが、『キラリ☆』との密接な繋がりと二人称から男性寄りと私は考える。従って、『約束』と『運命』は≪男性≫と≪女性≫の関係が出来上がり、そのどちらも結び付けるのは紅い糸だったんだね。やはり、楽曲面もコンセプト面も強度があって、東京女子流には毎度感心させられる。最後に特筆しておきたいのは、とりあえずMVの豪華絢爛妖艶な凄味。或いは色々な意味でニヤけてしまうだろう。撮りたてのMVを目の当たりにして変な声で叫んだのは初めてだったかもしれない。アレ観て「買おう!」ってなったもんなぁ。


~初代天使×現代天使=ハイパーイノセンス~

 白のイノセンスを示す「ワンダフル スマイル(新井ひとみと松島湾子)」は、「松島えがお大使」を務めるひーちゃんこと新井ひとみが松島のちからプロジェクト・キャラクターである松島湾子と唄うテーマソングだ。とりあえず、このイノセンス……ヤバイ。鬱屈とした世界に染まり過ぎた私には、眼が焼ける程に眩しいこの半端ないイノセンス。リリックは彼女らが綴っているが、

≪ナンデモナイ ナンデモナイ≫
≪なつやすみでもない日曜日≫
≪おじいちゃんに 会いに行こう≫


なんなのこの娘!?溢れ出るハピネスとイノセンス、なんて良い娘なのっ!!一度聴けばすぐに口遊んでしまうハピネスに満ちたサビを聴く前から、この楽曲から放たれるイノセンスの凄味にもはや何もかもどうでもよくなってしまう。ふと、これだけ凄まじいイノセンスを放つ楽曲を誰が書いたのか興味が沸いたのでクレジットに目をやった。川嶋あい、とあった。何もかも納得した。≪天使の歌声≫と呼称された彼女だ、なるほどなと思った。これは敵わないわ(何が
 かつて第一線で≪天使の歌声≫を披露していた川嶋あいと新井ひとみが巡り会うとは、誰が想像しただろうか。これはそう!10年越しのデスティニーな巡り会いだ!もう私にはこれしか頭に浮ばなかった。初代天使(川嶋あい)と現代天使(新井ひとみ)のデスティニーな巡り会いによるケミストリーの果て、これがハイパーイノセンスであると。複雑でまどろっこしい感情なんて要らない。必要なのはシンプルな想いだけで良いのさ。徐々に大人の階段を歩みつつも東京女子流がいつまでもイノセンスを失わないのは、新井ひとみの存在が大きいのだろうと感じた。


 #03は『約束』に収録されていた「ふたりきり」をデトロイト・テクノにリミックスされたクールでディープなダンス・チューン。7分強もあって聴き応えも充分、踊り甲斐もある。C-Typeのみに収録されている「運命 -Royal Mirrorball Mix-」もまた約8分のハウスで、オリジナル版とは違うヴォーカルラインの躍動感と高揚感を感じられる良リミックス。『約束』の「Outro」のミックスに近い印象もあり、ある意味NEXT女子流はオリジナルよりもリミックスの方かもしれないなど、捉え方も色々出来て面白味がある。東京女子流は本当に恵まれている。本作の充実した内容にまたそう思うのだ。最終的には、ハイパーイノセンスハンパねぇ!に集約されてしまうが、溢れんばかりのハピネスとイノセンスと天使の微笑みさえあれば、鬱屈とした世界に染まろうともユーフォリアへと導いてくれるだろう。

 紅い糸で結ばれた3rdフルレングス『約束』と12thシングルス『運命』、そしてそれ等を永久の記憶へと閉じ込めたフォトブック『永遠』という一連の流れ、東京女子流陣営の采配は実に素晴らしかった。いや、完璧だったと言っても過言ではない。だからこそ、更なるNEXT女子流への采配の不甲斐なさは残念としか言い様がなかったんだ。次回【音のアルカディアの崩壊】に続く。


 

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Title:PLATINUM
Artist:葉月ゆら
Release:2013/8/12


-Track List-
01. fleur
02. Plastic Doll
03. 眠りうさぎと月の夢
04. Innocent Butterfly
05. Diabolikha
06. 影絵サーカス
07. violette

-Total 19:21-



 いつから触れなくなってしまったのだろうか。戦利品のジャケットの色彩を見て「変わりましたね」とは某偉人談である。私の事を古くから知る方の目から見ても明らかだったようだ。補足しておくと、好みが変わったわけではなく、惹かれる作品がなくなったというだけの話である。それに関して特別どうこう言うつもりもなく、どうでもよいモノは触れない書かない近寄らない、という情報統制の手段を採ってきただけに過ぎない。それから約三年ほど経つのか、結局好きなものは好きである事を自覚させられるのがこの『PLATINUM』だ。こういうのが聴きたかった!と感情が高ぶる楽曲に出会えた事が私はとても嬉しい。

oh...Drop is God!

 特設サイトに用意されたクロスフェードを聴いた瞬間からもう確信していた。これは神だと。本能が訴えていた。C84作品において最も押さえておくべき楽曲だと(と言いつつ当日買うの忘れて委託で回収する失態を犯したのはここだけの話に)。イントロで狂喜乱舞するチェンバロの煌めきはAIHISNAの『大罪少女の十字架刑』やヒメゴト。の『深海の涙』における北欧様式美の息吹の如しだ。ギラつかせながら疾走する、聴く者を殺しに掛かるイントロダクションは≪ゴシック沈黙の3年間≫の闇を切り裂く程の圧倒的な殺傷力も持っている。私はもう一度声を大にして言いたい。こういうのが聴きたかったんだよ!そりゃもう「oh...Drop is God!」とか言いたくもなる。

 Drop氏と言えば、名盤『HAMELN』からPOP ALI PROJECTな少女趣味を長いことイメージしていたが、昨年の「Red Wonderland」でPost Janne Da Arcなプログレッシヴ・メロディアス・ハードを披露していて良い意味で既成概念を覆された。今思えば「龍と桜巫女」でもネオジャパネスク・ハード・ロックを披露していた訳で、あの時点でロックにおいてもセンスの良さは実証済みだったか。それにしたって本作の「Diabolikha」のアレンジはただ驚くばかりで、Drop氏の楽曲でかつてここまでメタリックにリフが主張していたことがあっただろうか?いや、ない。しかも、バッキング・リフの聴きどころを押さえるセンスが優秀なのだからもう意味がわからない。そりゃもうDemetoriの徳南氏に匹敵するくらいリフの聴き心地が良いし、シンセ・リフのやり過ぎいいぞもっとやれ感はヒメゴト。のKei+m氏に匹敵する様な感覚さ。道理でこの楽曲の魅力から離れられない訳だ。

 まずこの楽曲の魅力と言えば邪悪なリフとパイプオルガンのヒットでタメ、からの16分リフとチェンバロのリフが絡み合いながら疾走するイントロダクションだ。私はこういう同人ゴシックが聴きたかったんです。メインメロディーへの展開も疾走感を損なわず、実に滑らかで素晴らしい。Aメロ、Bメロで緩急を豊かに使い分け、隙間を埋めるようにチェンバロをガンガン鳴らすのも私の琴線を掻き毟る。Cメロで更に速度を落とし、葉月ゆら嬢の魅惑的な低音も聴けてしまうという贅沢仕様。コーラスパートへ開放する為の緩急としても有効に働いている。コーラスパートはやはりDrop氏のうねり捲るリフワークが耳を引くし、隙間を埋める様にオーバーラップしていくギターのフィルインもセンスが良くて唸る。間奏でもDrop氏の暴走は止まらず、ポスト・ジャンヌの如くフューチャリスティックなシンセが乱舞して、ここでも私の琴線を掻き毟る。ツーコーラス目はAメロのブレイクが絶妙、Drop氏はどこまでGodなんだ。インストパートは北欧様式美の息吹を超える北欧様式美の吹雪の如く覇気を纏ったチェンバロの洪水にただ圧倒され、「oh...Drop is God...od...d...」と私の意識は失神寸前だ。もうなんかアレですわ、Drop氏マジ凄いわ。アウトロの天上で踊るストリングスは実にDrop氏らしくて、しかし最後まで攻めの姿勢を貫いていてテンションと言うかオーラが凄い。これはゴシック・メルヒェンからポスト・ジャンヌを通過して辿り着いた今のDrop氏の集大成か、ただひとつ言えることはDrop氏の最高傑作であるということ。

 「Diabolikha」におけるDrop氏は神と言うかもう化け物なんだが、そうたらしめるのは葉月ゆら嬢という最高のパートナーが存在するおかげでもある。もはや彼女にしか表現できない耽美で甘い癖のある歌メロはDrop氏のサウンドと相性が良い。それは名盤『HAMELN』で証明済なので、今更述べることでもないが、互が互いに高め合っているという印象は本作で更に強くなった。

 で、本作は怪物Drop氏を中心に上月幻夜氏、甲斐ユウ嬢、白戸佑輔氏と強力な布陣で組まれている。Drop氏の「Diabolikha」以外で特に好みを挙げるとすれば、「薔薇と弾丸」から始まる彼女のもうひとつの顔であるジャズ路線の「Innocent Butterfly」が好きだ。ジャムセッション的アレンジやリズム隊の動きがとても聴き応えがある。そこに甘い歌声がまとわりつくのが魅力的だ。作品を総合的に見れば、どの楽曲も私の好きな葉月ゆら嬢が息づいていて、またひとつお気に入りの葉月ゆら盤が増えた。ただ最終的には「Diabolikha」だけはずば抜けていたの一言に尽きる。しかし、それさえあれば鬱屈とした世界は貫けるものなのである。おいでませ、音のアルカディアへ♪


Title:約束してよ?一緒だよ!
Artist:三森すずこ
Release:2013/7/3


-Track List-
01. 約束してよ?一緒だよ!
02. サマーバケーション
03. 約束してよ?一緒だよ!(Instrumental)
04. サマーバケーション(Instrumental)

-Total 15:30-



 自由気ままに音のアルカディアを求めて音盤を漁っていると、偶然か必然かデスティニーな巡り合いと言う現象が起こる。当社音のアルカディアとか言うヒエラルキーの頂点に君臨する東京女子流が擁するイカした節回しの使い手ゆりりんこと中江友梨、彼女の生誕祭の裏で行われていたもうひとつの生誕祭の主人公、その人こそみもりんこと三森すずこなのだ!6月28日という点が重なった瞬間、そうデスティニーな巡り合いである。きっかけとはそういうものである(ぇ)。という訳で、今回紹介するのはみもりんです。

 三森すずこと言えばピンク担当シャーロック・シェリンフォードなのだが、そう言えば『ミルキィパーティー!!!!』は2013年度音のアルカディアに相応しい内容だった。かの作品のリリーズ後、4月に既にソロプロジェクトをスタートしていて、西野カナから始まる所謂≪会いたい≫の系譜『会いたいよ...会いたいよ!』でデビューを飾っていたようだ。そして、赤面必至表題の本作『約束してよ?一緒だよ!』はプロジェクトの2作目となる。テーマは夏。

 一聴してミルキィ感の強かった≪会いたい≫の系譜に比べ、ミルキィのシャロから脱却した三森すずこの歌を耳にすることが出来る。特別巧いという訳ではないが、歌声の抑揚に特に気を配っている様に感じた。ウィンドチャイムやアコースティック・ギター、ストリングスをフィーチュアしたアレンジは耳に涼やかだ。憂いとまではいかないウェットな質感の「約束してよ?一緒だよ!」とは対照的に「サマーバケーション」はブラス音がフィーチュアされ、彼女の元気な歌声も突き抜ける爽やかなサマー・ポップ・ソングに仕上がっている。リズム隊の動きはこちらの方が好みだ。

 デビュー作≪会いたい≫の系譜に比べれば、あの似たり寄ったり感はトータルして払拭出来ている。楽曲・表現の幅も僅かながら拡大している様にも思う。が、突き抜けた楽曲が無いというのも正直な感想で、これなんてミルキィ!?と本能で感じた「ミライスタート」の秀作っぷりを省みるともうひとつ突き抜けて欲しい。まぁ、プロジェクトのコンセプトとしてはこれでアリっちゃアリなんだろうけどさ。結局はみもりんの声が好きだから買ってる聴いてる訳なので、野暮ったいこと言うもんじゃないか。『ふたりはミルキィホームズ』も始まったことだし、プロジェクトも始動間もないことだしで今後の展開を楽しみに期待したい。勿論、ユニットのミルキィホームズでの活動も期待している。

 俺の女子流ちゃんがこんなに可愛いわけがない?可愛いに決まってるだろっ!2013年もあっという間に半分が終わりました。という訳で、上半期の総括的なお話をしましょう。

 記憶を掘り起こしていくと、まず年明けは女子流ちゃんの年明け定期ライヴに足を運び、新年と彼女たちとの出会いを祝った。週明けにリリースされたサード・フルレングス『約束』にえらく感銘を受け、女子流愛と言う名のインスピレーションが爆発してあんな記事を綴ってしまったが後悔はしていない。心情的には2013年のベストは確定したも同然で、愛は更に加速する事となった。翌2月には某イベント(写真参照)で間近で女子流ちゃんのパフォーマンスを観る機会に恵まれ愛が加速する。特筆しておきたいのは、あの衣装でパフォーマンスが観られるのは実に稀と言うこと。『約束』の衣装はパフォーマンス用に裁縫されていない為、通常ステージ上で観ることは叶わないのだ。加えて撮影可と言う貴重な体験が出来て非常に幸せな時間を過ごした。これで愛が加速しないはずがない。3月のアイドル乱舞では、多数のアイドルのステージングを見比べることで、ムーブメントの渦中における東京女子流の凄味を相対的に認識することができたのが収穫だった。同時に最前列の楽しさを味わってしまい、更に泥沼へ堕ちていくことに…。また、月末には女子流ちゃんFCイベントに参加し、人生初のFCイベントを経験した。ステージ上で魅せる凛々しいムードとは違った、終始和やかで暖かいチーム女子流の雰囲気に心の傷が癒されたりもした。愛の加速は止まる所を知らず、当社のイメージを一新したのが丁度この時期である。初めこそエイプリルフールのつもりだったが、愛があれば嘘もまた真実と化すのだろう(?)。春うららな新学期に時期は移り、女子流ちゃんのツアーが始まった。4月から5月にかけて東京、名古屋、大阪、仙台、横浜2daysとツアー巡りを実行したこともいい思い出となった(冬コミと同じく大阪からM3に向かうのがデジャヴだった)。数々のピンチとプレッシャーが襲った試練のツアーは各地で様々なドラマがあり、そのひとつひとつどれもが鮮明に記憶に残っている。そして、ツアーファイナルの仕上がりの素晴らしさ、またひとつ進化した彼女達の姿は忘れることはできない。梅雨の季節、6月は久しぶりの定期ライヴにNEXT女子流を示した『運命』、今の女子流を記録した『永遠』のリリースがあり、握手会にサイン会とツアーが終わっても女子流漬け月間だった。

 以上、こうして私の上半期は生活の中心に常に東京女子流があって、常に東京女子流と共に生きてきたようだ。それはそれは、ライヴ初めとなったBeach House来日公演のステージングが芸術的なライティングと空間演出で、身体の奥底から熱くなる程に感動した!!という感想がこんな片隅に追いやられてしまう程度に女子流漬けだったとさ。ひとつのアーティストに対しここまで徹底的に嵌り込むのはなんだかんだでJanne Da Arc以来か。アイドルが好きなんて精神疾患以外の何者でもないのは疑いようもない事実だが、そこに希望と幻想による救いがある以上、私はその存在を認めないわけにはいかないのだ。Janne Da Arc亡き今、東京女子流に出会う事が出来て良かった、とただその一言に尽きる。上半期の総括的なお話は以上だが、これだけで終わるのもアレだから、おまけでお気に入りの音盤とか楽曲とかを以下に記しておこう。



―よく聴いた邦洋音盤―




① 約束/東京女子流
② SHRINE OF NEW GENERATION SLAVES/Riverside
③ ALTERED STATE/TesseracT
④ Life goes on/DOROTHY LITTLE HAPPY
⑤ SECOND STORY/ClariS
⑥ VOLUME 3/SHE & HIM
⑦ A CAREFUL ECSTASY/bvdub
⑧ el esperanka/Serph
⑨ SPIRITUAL MIGRATION/Persefone
⑩ SEA OLEENA/Sea Oleena


 『約束』在っての上半期、作品については記事に出し切ったので特に言うことなし。6年目にして漸く自分にとって納得のいくものを書くことが出来たと思う。尤もそうさせたのは原動力となった東京女子流のお陰なのだけどね。その他は大体備忘録でチラホラ触れた音盤か。DLHの『Life goes on』はせっかく良い音盤だったのに書きかけで放置しているから、どこかでちゃんと書き切りたい。幾何学メタルTesseracTの『ALTERED STATE』はアトモスフェリック・サウンドスケープに対する美意識に磨きが掛かった美しい作品だった。他のDjent勢の2作目はどこも滑った印象しか無かったから、TesseracTって意識レベルから違うのだろう。中心人物の背景を顧みれば納得も行く。やりたかった事やれなかった事を表現する為にTesseracTやってるんだもんね。そりゃ簡単にブレるもんじゃないよなぁ、と感心している。あとはClariSの『SECOND STORY』も良かった。と言うか、クララとアリスの歌声に涙腺を刺激されるあの感覚が好きなんだ(変態だな)。「with you」をリードトラックとしたプロデュースも素晴らしかった。



―よく聴いたアイドル歌謡―




① パーラメント/Especia
② Pleasure ~秘密の言葉~/Bellring少女ハート
③ My Graduation Toss/さくら学院
④ A B C D E-Cha E-Chaしたい/モーニング娘。
⑤ 君の名は希望/乃木坂46
⑥ おねだり大作戦/BABYMETAL
⑦ 運命/東京女子流
⑧ 5 The POWER/ももいろクローバーZ
⑨ Evolution No.9/9nine
⑩ アイドルばかり聴かないで/Negicco


 タイムリーにNegiccoから『アイドルばかり聴かないで』と言われる程度にアイドル歌謡しか聴いてなかった、という訳では決してないが、それなりに聴いていたというだけある。結論から言ってEspeciaとBellring少女ハートは別格(泥沼に堕ちた結果がこの有様だよ)。娘。は私の趣味なので割愛するが、やっぱりだーいしがかーわーいーい~(黙れ小僧)。春先のセンチメンタルなムードによって生まれた『My Graduation Toss』と『君の名は希望』はどちらも秀作。『運命』は独自解釈が固まったが、書きかけで絶賛放置中(そればっかだな)。『Evolution No.9』はリフのサンプリングがYESで間奏は第9とだけ言っておけば大体それで事足りる(雑だな)。最終的には『アイドルばかり聴かないで』の「ざんねーん」は波田陽区のそれよりもシュールさに秀でているってことかなっ!



―よく聴いた同人音盤―



① ミニロボベータ/MilliRobo.beta
② 物凄いベスト/Halozy
③ しぇいきんぐ!/SHAKING PINK
④ Sweet Splash!!!/Agemusha
⑤ 蜂蜜色の宙のした - when I fall in air -/ヤヤネヒロコ


 ≪電波≫とは言い換えてみれば、アヴァンギャルド且つエクペリメンタルな既成概念を破壊するマスコアの様なモノで、日本がガラパゴス化した恩恵によって確立された、初めて日本独自と呼べる音楽なのだろう。『ミニロボベータ』と『物凄いベスト』はそんな感覚を抱く作品だ。同時に同人ならでは、といったクリシェが最も似合う作品だったと思う。『しぇいきんぐ!』は何かと惜しい作品だったが、評価と聴く頻度は必ずしも一致するものではない。電波歌謡としては少々優等生過ぎるくらいだが、故に耳触りのいい良質なポップスとして機能していた。スウィート・ミクの探究精神を示した『Sweet Splash!!!』は普遍的な側面に傾いたものの、その恩恵は大きく音楽的に豊かな作品となった。アトモスフェリックな空間意識とフィルムの擦り切れる様な歪んだサウンドスケープ、掠れた吐息が胸に確かな痛みを遺す『蜂蜜色の宙のした - when I fall in air -』はM3作品で最も気に入っている。



―よく聴いた同人楽曲―


① 悽愴少女の冲融幻想曲/AIHISNA
② 青の研究/millstones
③ 地籟現象/Cleshe
④ IAIA/AVTechNO!
⑤ Sacrifier/Eine Kleine


 インスト2曲のヴォーカル2曲、ボカロ1曲。『悽愴少女の冲融幻想曲』は正によく聴いたが一番当て嵌る楽曲だ。私の幼き頃の思い出と好きしか詰まっていないのだから、これ以外に名曲があろうか。いや、ない。『少女の切ない夢物語』に並ぶ傑作誕生に感謝。下半期も期待している。10分超の『青の研究』はシアトリカルな美意識に富んだシンフォ系プログレで非常に気に入った。『地籟現象』はこれぞClesheと断言出来る、ポスト・クラシカルでドゥーム/ドローンな病みの凄味に私の鳥肌がザワついたのを覚えている。『IAIA』は表題の通りIAのイアをサンプリングして只管ループするエレクトロ・ハウス。おふざけが過ぎるが、サウンドそのものはガチのEDMだからグルーヴに乗って裏拍を体感しながらガンガン頭を振って踊ると実に心地が良いのだ。中二全開の『Sacrifier』は官能的な危ういムードと暴力的なヘヴィネスから開けるメロディアスなサビの対比が美しく、アグレッションの振り切れた間奏後の儚い展開が孕むイノセンスは卑怯だった。余韻と間の使い方、動静のコントラストのバランス感覚に秀た良曲。「死ねー」の表現が気になったと言う一点以外は(ぁ


 以上!
 まぁ、書きかけのをさっさと完成しやがれってことだ。
 下半期はLUNA SEAのJが東京女子流に楽曲提供するし、八王子Pともコラボが決定しているし、着々と領土拡大に動き始めているチーム女子流の動向が楽しみだ。これはさ、もうなんかアレだよね。元祖V系との組み合わせが通るなら、同じエイベックス・グループ所属のJanne Da Arc、ひいてはAcid Black Cherryのyasu君に楽曲提供して貰うとか大アリだよね!そういう可能性とか希望を抱いても良いよね!!東京女子流×yasu(Janne Da Arc、Acid Black Cherry)なんて音のアルカディアコンビが実現した日にゃ、俺はどうにかなってしまうだろう。俺さ、ロリスト聴いた時にさ、yasu君に料理させたらあの間延びした退屈な展開も無かったんだろうなって思ったんだ。どうか、東京女子流×yasuをエイベックスの偉い人宜しくお願いします!「可能性はゼロではない」って古田新太さんだって言ってるじゃないか。は!?もしや『運命』ってそういうこと!?おあとがよろしくなったところでデスティニーな巡り合いを願って、下半期も音楽を楽しんでいきましょう。

来月は上半期ベストなので、ここいらでちょっと備忘録をやっておきましょうか。



Title:My Graduation Toss
Artist:さくら学院
Release:2013/2/27


 出会いと別れ、人生の境界線が引かれる春うららな季節は桜や卒業と言ったありふれた歌曲が街に溢れかえる。“桜(さくら)”の名を冠するこのさくら学院が発表した新曲も例外ではない。しかし、そこに感動と幻想を生み出すことに成功している。やはりさくら学院の方針(システム)は優秀だという事を実感せざるを得ない。現実世界での義務教育を終えると同時に、平行世界のサクラ学院を卒業する。本来夢に生き、夢を視せる存在を限りなく現に接近させる事で、非常にリアリティーのある疑似体験を私達に体感させてくれる。ある意味時の流れを残酷に感じさせる期間限定のシステムは、学院生たちの一瞬一瞬を輝かせる化学反応を起こす。その姿は無機質な偶像などとは程遠く、今を精一杯生きて表現するヒトそのもので、オーガニックな温かみを持った新種のアイドルと言える。アイドルとしての儚さと青春の儚さが見事にシンクロした「My Graduation Toss」で会長中元すず香の旅立ちに花を添える。ブリグリ夫妻は非常にいい仕事をしたと思う。上半期アイドル歌謡で聴いておきたい一瞬の尊さが詰まった一枚。



Title:CUE
Artist:9nine
Release:2013/3/13


 アイドル乱舞の予習として買った音盤。ちなみに私はひろろ推しである(聞いてない)。エレクトリカルなダンス面を強く打ち出した前作『9nine』よりもポップでオーガニックな作風に落ち着いたご様子のメンバーチェンジ後の2枚目。トータルとしてのバランスは以前よりも良くなったが、逆に良くも悪くもパンチ力が弱いのは、それなりにキャリアのある彼女達の表現力を重視した結果か。とは言え、5人のユニゾンによるハーモニーは耳に優しく聴き心地が良いからサラッと最後まで聴けてしまう。ひとり一人の特徴的な歌声の良さは言わずもがな。歌のエモーショナルさは他のグループではここまで打ち出せんよ。楽曲面ではクリスマスソングの「White Wishes」が非常に気に入った。楽曲として美しくて、何もかもが完璧で驚いたなぁ。静寂のブレイヴネスと歌の甘いメロウネスのコントラストが強力な「Brave」も捨て難い。しかし、このアルバムのオチ(オチ言うな)がシュールな「イーアル!キョンシー feat.好好!キョンシーガール」だったのは吹いた。まぁ、意外とアホなことやる9nineが気に入ったから結果オーライである。最後にPV集の「チクタク☆2NINE」のひろろが超可愛いと記しておこう。



Title:CLARITY
Artist:ZEDD
Release:2013/2/27


 敏腕若手DJゼッド君のデビュー作。彼の遍歴は興味深くて、ブリティッシュ・ロックのMuseに始まりグルーヴ・メタルのMeshuggah、そしておフランスのプログレ/エレクトロ・デュオのJusticeと通過してきたようで、あぁなるほどね(笑)と思った。ロックからエレクトロへの傾倒の道筋としてはあながち間違っちゃいない、分かる、私には分かるよその気持ち。ある意味変態的な遍歴ではあるが、それとは裏腹にキャッチーなヴォーカルがフィーチュアされた聴いても体感しても気持ち良いEDMだ。あくまでも楽しい作品を作ろうと言うシンプルな気持ちが伝わってくる。表題曲「Clarity」のアンセム感漂うムードとFoxesのエモーショナルに満ちたヴォーカルは堪らない。「Fall Into The Sky」のアトモスフェリックな空間とバウンスするビートも快感だ。国内盤のボートラには初音ミクをフィーチュアした「Spectrum」が収録され、ジャパニーズ・サブカルチャーへの目配せにも余念がない。アンセム感半端ない。ねぇねぇ、ゼッド君や、いつか女子流ちゃんにもリミキサーとして参加して下さいよ(願望



Title:ALL IN BLACK
Artist:Kiyoshi Sugo
Release:2013/4/10


 今のEDM界隈って国内にも結構凄いアーティストがいる。その一人がKiyoshi Sugo君で、国内でもここまで凄いのが聴けるのには流石に時代は進んでいるなと実感せざるを得ない。いや、今や外より内に耳を傾けるべきなのか。抉いダブステップからエレクトロ・ハウス、癒しのチルアウト・アンビエントからチルウェイヴの淡いサウンドスケープまで何でも御座れの姿勢はある意味日本的な感性やもしれない。女性ヴォーカルをフィーチュアしたアトモスフェリックなサウンドスケープと激烈のダブステップの美と醜のコントラストが凄まじい「Resonates」には一撃でヤられた。かと思えばチルウェイヴィーな表題曲「All In Black」の神々しさよ、こりゃ凄いよスゴウ君。ねぇねぇ、スゴウ君や、是否女子流ちゃんの楽曲をリミックスして下さいよ、マジで(切実な願望



Title:黒紅少女の優雅な哀史
Artist:AIHISNA
Release:2013/4/29


 シンフォニック・ゴシック・メロディックでリフとドラムだけブルータルなデス・メタルのAIHISNAの通算4作目。前作『虚空少女の夢幻神話』は北欧様式美の息吹の高い壁を超えなくてイマイチ響かなかったが、今回のは良い。いい加減マンネリズム、されどマンネリズム、それで良い。なんだかロマサガ~サガフロのmidiアレンジ音源をひたすら漁っていた遠い昔の記憶が蘇ってくるのだ。Demetoriほどではないにしろメタルとしての聴き所を押さえるセンスが良い。例えば表題曲「黒紅少女の優雅な哀史」の1:54~2:26までのスピーディーな展開の中で繰り出されるリフに、久しぶりにおっ!?って興奮を憶えた。しかし、ベスト・オブ・キラーチューンは「悽愴少女の冲融幻想曲」一択に決まっているのだ。聴き給えこの素晴らしき四魔貴族感を。同人音楽のメタルで私はこういうのが聴きたかったんだよ!!あの頃の熱い気持ちが蘇ってくるんだぜ!ストリングスは古き良き昭和歌謡の文脈を継承したクールな佇まいでいながら、ギターとのリフの応酬とユニゾンが超熱いんだから堪んねぇよ!傑作『大罪少女の十字架刑』の様な可憐な煌びやかさが恋しいが、ギター・リフとストリングスのシンプルな構成で聴かせられる様になってきたのは大いに評価したい。



Title:Rouge Chocola
Artist:Cleshe
Release:2013/4/29


 溺愛最期の砦、音のアルカディアの一角を担うCleshe原点回帰の5作目。ここ二年程続いた病的な創り方から自らを開放して、改めて気楽に楽しめる作品を完成させてきた。相変わらず自分たちの好きな様にを貫く姿勢が好きだ。確かに2nd~4thまでの頭が痛くなるコアに病んだ作品像から離れて、気持ちを軽くして聴ける作品だと思った。思ったのだが、さてジャケットの娘は誰でしょう?と妄想を始めていくと、陰でClesheが北叟笑んでいる様な気がしてならない(被害妄想)。何故なら、分かる人には分かるように仕掛けているんだもの、かの魔術をね。本当に私を楽しませてくれるよClesheは。「Mensonge―退屈な遊戯―」や「地籟現象」であのフレーズが出てきたのには思わずニヤけてしまった。しかし、「地籟現象」が持つ闇と病みと美のコントラストはかのN.C.ACSの凄味と似た凄味を放つものだから驚きもある(以前から薄々感じてはいたが)。危険な香りが漂う「僕の愛しいフィーネ」のニュー・ウェイヴ・クラシカルな佇まいさえもN.C.ASCの凄味と重なって視える。『アムヴェリテの鎖』を通過して本当に深化してしまったんだな。ここまで綴っておいて一番面白い楽曲が「水沫」というオチ。これでClesheは確実に新しい境地を拓いたと言える斬新なアイデアが詰まっている。やはりClesheは独創性に優れたサークルだ。



Title:春蕾
Artist:Chocolatte
Release:2013/4/29


 今まであえてここで触れてこなかったが、Clesheの別名義Chocolatteの4作目。それぞれにそれぞれの世界観がある。だから、彼らはこうやって好きな様にやりたい事を差別化して分けている訳です。器用な人たちだ。今回どういう訳かClesheサイドを上回ってしまった。制作期間ェ。。。表題曲「春蕾」のなにこのイノセントな佇まいは!?なにこの泣かせるメロディーは!?なゆな嬢の優しい声色はClesheでは絶対に聴けない。まさかのスウィングするグルーヴで踊る「恋のルーレット」もClesheでは聴くことはないだろう。新鮮。恋の駆け引きもChocolatteの流儀で綴られているし、Clesheとの住み分けが徹底している。今回はシンプルに良い作品だった。それにしても専属グラフィッカーが違うのに共通して日傘とはなんたるデスティニー。とことん面白いサークルだよ。



Title:MIKU
Artist:ATOLS
Release:2013/5/3


 遂に出たヒューマンビートボクサーATOLS先生の初音ミク音源集。この日をどれだけ待ちわびた事か。プログレッシヴな感性を以て構築されたATOLS流の斬新なミクトロニカのベストアルバム的な作りだが、どれもが独創的なアイデアが詰まっていて胸が踊る。逆再生の異名を持つ代表曲「バベル」の終盤カウントダウンからの急転直下は何度聴いても刺激的で病み付きになるし、愛溢れた故に生まれた「マカロン」も気付けば歌口ずさんでいる。「ワンダラーズ」のヒューマンパーカッション以外はミクをシンセ化して鳴らすと言う前衛的なアイデアにはもはや脱帽である。これがATOLS先生の凄味よ!凄味はエレクトロだけに留まらず、以前から大好きな「オメガ」の様なプログレッシヴ/エクスペリメンタル・ロックでも凄まじいドライヴ感を以て魅せてくれる。神々しいダブステップ・リミックスも堪らん!ボーナストラックは大容量の13曲…ボーナスってレベルじゃないよ先生。しかも、ボートラサイドの方がガチだから笑えない。ねぇねぇ、ATOLS先生、女子流ちゃんのリミックスお願いしますよ(まだ言うか



Title:Peace of Cipher+
Artist:ELECTROCUTICA
Release:2013/4/27


 スーパー・クリエイティヴ集団ELECTROCUTICAの再編版シリーズの最新作。彼らはリスナーに自分たちの作品をどうやって届けるかを真剣に考え行動し体現している稀有なサークルだ。流通だけに限らず、リスナーが手に取って嬉しい価値あるモノを創ろうという姿勢を私は評価している(モノ作りの基本中の基本だがな)。勿論、エレクトロニカでありながら既存の枠組みに留まらない斬新なアイデアが散りばめられた楽曲も評価している。プログレやジャズ・ロックの如くジャムセッションのスリリングな表現に心酔しているし、甘いメロウネスに満ちた端整な音の調べに心が浄化されるし、複雑な楽曲展開の割に強力なポップネスが響く歌に幸福で心が満たされる。逆再生の衝撃以来追い続けてきたが、やはり大好きだ。手放しで推薦、音楽の面白さ楽しさここにあり。



Title:Sweet Splash!!!
Artist:Agemusha
Release:2013/4/28


 音のアルカディアの一角を担い、Lemm氏と並んで私をスウィート・ミクの虜にさせたほのづき氏の2作目。前作『SWEETOPIA』のコンセプチュアルな歌物語で構築した統一された世界観から離れて、「Sweetは囁くだけじゃない!」とスウィート・ミクの可能性を追究する作風へと変貌した本作。良いねぇ~その探究の精神大好きだよ。従って、絵本を読む感覚に似た童謡は無くなってしまったのは非常に惜しいが、代わりに音楽作品としての自由度が格段に向上している。また、前作とは違いアコースティック・ギターを強くフィーチュアしているだけあって、オーガニックな質感に包まれていて非常に聴き心地が良い。ポップ・ロックからポスト・ロックにドラムンベース、キャッチーなジャズ歌謡の果てはファンクと薄暗プログレを行き来する大作「KAZENOHI」で放つ凄味ェ。構築センスがプログレのそれで俺歓喜!そして、極めつけはブラックネスに満ちた暗闇を切り裂く「君に捧ぐ」カバーの大空を駆け回りたくなる程の超キャッチーさよ。アルバムの構成から見ても確信犯的なキラーチューンだ。今回何故カバーしたのかは、アルバムのコンセプトを考慮すれば納得がいく。愛だよ、愛なのだよ。微睡みを誘うメロウな「ミルクスタンド」の優しい余韻もニクい。やりたい様に自由に創られてはいるが、自由に踊らされず、ほのづき氏の独創性も息づいた優秀な作品だ。



Title:PATHFINDER
Artist:Early Cross
Release:2013/2/14


 国産プログ・メタルの1作目。当社発足時から贔屓し続けている北欧第七の奇跡Seventh Wonderと同じくモダン・プログレのインディー・レーベルLion Musicから目出度くリリースとなった。Lion Musicと言えば度々ミックス面でしょっぱい思いをしているのだが、彼らが迎えたのは当社贔屓のAnathemaやCircus Maximusでも知られる敏腕若手エンジニアのChrister-André Cederberg大先生なのだから俄然期待も高まるというもの。日本にもちゃんと耳の良いバンドが居たんだなぁ。という訳で、音質の素晴らしさは言わずもがな、やはりバンドが奏でる楽曲のレベルの高さもよく表れている。ダークなプログ・メタル「Ashes and Yarrow」「Cry Havoc」のそうそうそのリフ!感にニンマリ。Landscapeと呼称される独自性はなるほど、フォーキーでニューエイジの神秘的な質感があり、Natasha嬢の艶のある情感たっぷりのヴォーカルとのシンクロ率も非常に高い。静から動へとドラマティックにダークに展開していく14分大作「The Pilgrimage」の構築美も素晴らしい。日本からここまでの完成度を誇るプログ・メタルが出ようとは面白い時代になってきたじゃないの。2013プログ・メタルのマストな1枚。



Title:PELAGIAL
Artist:The Ocean
Release:2013/5/2


 独逸産ポスト・メタル/エクスペリメンタル・メタルの6作目。エンジニアはまさかのJens Bogren大先生という。ポスト系を先生に料理させたらどうなるのか?という疑問はあったが、なるほどこうなるのか。4作目『太陽中心説』と5作目『人間中心説』と宇宙を舞台にスケールの大きな作品を発表してきたが、今回彼らが舞台に選んだのは『大海洋』で『深海』だ。宇宙はロマン、深海もロマン。彼らから言わせてみれば≪深海は宇宙だ!≫って事なんだ。アルバムの進行と共に物語は海の深淵へと進んでいく。ブックレットにも楽曲の表題に合わせて水深を示した図が用意されていて芸が細かい(笑)。流石独逸、変態だな。水深700m付近で繰り広げらる「Mesopelagic- The Uncanny」の甘々のメロウネスと熱いラウドネスに痺れる。シンプルに格好良い。水深2600m付近へ到達すると「Bathyalpelagic II- The Wish In Dreams」と「Bathyalpelagic III- Disequillibrated」でプログレッシヴでマス/エクスペリメンタル色が強く表れ、マストド~ン宜しくのスラッジさにメシューガ宜しくの鬼神グルーヴのテクニカルさ満載でニンマリ。水深11000mに到達する頃には全身を水圧宜しく音圧で潰すスラッジ・メタルが襲いかかる。音で語る深海浪漫、2013ポスト・メタルのマストな1枚。



Title:EPITAPH
Artist:QUADROPHENIA
Release:2013/4/29


 エピタフと言えばKing CrimsonやKrik/Krakを思い出す(どんな組み合わせだよ)。次世代スーパー・クリエイティヴ集団QUADROPHENIAの墓碑銘を何とするか、とすればやはり≪ハイパー・エレクトロニカ≫だろう。神秘的なサウンドスケープのイントロダクションに続くゲストQ flavor氏による「Password」の圧倒的ハイパー・エレクトロニカさ、凄まじいまでの幻想的な音の包容力に脱帽である。メンバーの宮沢もよよも負けてはいない。そのプログレッシヴな感性が研ぎ澄まされたポップ・エレクトロニカ「祝祭と流転」の意外性のある展開と耳に焼きつく超ポップな歌メロは墓碑銘に刻むハイパー・エレクトロニカそのものだ。シェイクのビートが印象的な村上くるるによる「アニマ」の浮遊感と揺らぎもヤミツキになる。



Title:AMARGA Tarde/AMARGA Noche
Artist:Especia
Release:2013/5/22


 もーホント大好きだ。アーバン・ファンクを奏でるEspeciaの待望の2作目となる2種のEP。一部内容が異なるだけで共通のトラックも多いだけの2種類ではあるが、これを単なる商業主義的な見方で切り捨てることは出来ない。何故ならばEspeciaが武器とするアーバン・ファンクを二通りの聴かせ方で提示しているからだ。音楽と言うのは聴く環境のムードが非常に重要だ。それを本作を以って彼女達は改めて教えてくれる。西日が差す夜の帳が下りる直前の夕暮れ時に気持ち良く響くTarde、暗闇のドレスを纏い照明を着飾った街並がセクシーなNoche、その時々の気分やムードで聴きたい盤を選ぶ選択権を与えてくれる。Tardeは「スカイタイム」「オレンジ・ファストレーン」、Nocheでは「MIDAS TOUCH」がそれぞれ珠玉の出来栄えで実に気持ち良い。素晴らしい!センターに位置する「パーラメント」はこれぞEspecia流アーバン・ファンクなサウンドでイントロダクションからもう鳥肌が立つ。歌も超エモーショナルで堪らない。Especiaがここまでムードを重んじるグループだったとはたまげたなぁ。本作を以って私の中で【東の女子流】と【西のEspecia】という立ち位置が確定した。新たな音のアルカディア誕生に乾杯!

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管理人

竜美 悠(You Tatsumi)
サンキュー!
アラーイさーん♪

島に転職しました。
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