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音楽を中心に雑多に書き散らしてるブログ。
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来月は上半期ベストなので、ここいらでちょっと備忘録をやっておきましょうか。



Title:My Graduation Toss
Artist:さくら学院
Release:2013/2/27


 出会いと別れ、人生の境界線が引かれる春うららな季節は桜や卒業と言ったありふれた歌曲が街に溢れかえる。“桜(さくら)”の名を冠するこのさくら学院が発表した新曲も例外ではない。しかし、そこに感動と幻想を生み出すことに成功している。やはりさくら学院の方針(システム)は優秀だという事を実感せざるを得ない。現実世界での義務教育を終えると同時に、平行世界のサクラ学院を卒業する。本来夢に生き、夢を視せる存在を限りなく現に接近させる事で、非常にリアリティーのある疑似体験を私達に体感させてくれる。ある意味時の流れを残酷に感じさせる期間限定のシステムは、学院生たちの一瞬一瞬を輝かせる化学反応を起こす。その姿は無機質な偶像などとは程遠く、今を精一杯生きて表現するヒトそのもので、オーガニックな温かみを持った新種のアイドルと言える。アイドルとしての儚さと青春の儚さが見事にシンクロした「My Graduation Toss」で会長中元すず香の旅立ちに花を添える。ブリグリ夫妻は非常にいい仕事をしたと思う。上半期アイドル歌謡で聴いておきたい一瞬の尊さが詰まった一枚。



Title:CUE
Artist:9nine
Release:2013/3/13


 アイドル乱舞の予習として買った音盤。ちなみに私はひろろ推しである(聞いてない)。エレクトリカルなダンス面を強く打ち出した前作『9nine』よりもポップでオーガニックな作風に落ち着いたご様子のメンバーチェンジ後の2枚目。トータルとしてのバランスは以前よりも良くなったが、逆に良くも悪くもパンチ力が弱いのは、それなりにキャリアのある彼女達の表現力を重視した結果か。とは言え、5人のユニゾンによるハーモニーは耳に優しく聴き心地が良いからサラッと最後まで聴けてしまう。ひとり一人の特徴的な歌声の良さは言わずもがな。歌のエモーショナルさは他のグループではここまで打ち出せんよ。楽曲面ではクリスマスソングの「White Wishes」が非常に気に入った。楽曲として美しくて、何もかもが完璧で驚いたなぁ。静寂のブレイヴネスと歌の甘いメロウネスのコントラストが強力な「Brave」も捨て難い。しかし、このアルバムのオチ(オチ言うな)がシュールな「イーアル!キョンシー feat.好好!キョンシーガール」だったのは吹いた。まぁ、意外とアホなことやる9nineが気に入ったから結果オーライである。最後にPV集の「チクタク☆2NINE」のひろろが超可愛いと記しておこう。



Title:CLARITY
Artist:ZEDD
Release:2013/2/27


 敏腕若手DJゼッド君のデビュー作。彼の遍歴は興味深くて、ブリティッシュ・ロックのMuseに始まりグルーヴ・メタルのMeshuggah、そしておフランスのプログレ/エレクトロ・デュオのJusticeと通過してきたようで、あぁなるほどね(笑)と思った。ロックからエレクトロへの傾倒の道筋としてはあながち間違っちゃいない、分かる、私には分かるよその気持ち。ある意味変態的な遍歴ではあるが、それとは裏腹にキャッチーなヴォーカルがフィーチュアされた聴いても体感しても気持ち良いEDMだ。あくまでも楽しい作品を作ろうと言うシンプルな気持ちが伝わってくる。表題曲「Clarity」のアンセム感漂うムードとFoxesのエモーショナルに満ちたヴォーカルは堪らない。「Fall Into The Sky」のアトモスフェリックな空間とバウンスするビートも快感だ。国内盤のボートラには初音ミクをフィーチュアした「Spectrum」が収録され、ジャパニーズ・サブカルチャーへの目配せにも余念がない。アンセム感半端ない。ねぇねぇ、ゼッド君や、いつか女子流ちゃんにもリミキサーとして参加して下さいよ(願望



Title:ALL IN BLACK
Artist:Kiyoshi Sugo
Release:2013/4/10


 今のEDM界隈って国内にも結構凄いアーティストがいる。その一人がKiyoshi Sugo君で、国内でもここまで凄いのが聴けるのには流石に時代は進んでいるなと実感せざるを得ない。いや、今や外より内に耳を傾けるべきなのか。抉いダブステップからエレクトロ・ハウス、癒しのチルアウト・アンビエントからチルウェイヴの淡いサウンドスケープまで何でも御座れの姿勢はある意味日本的な感性やもしれない。女性ヴォーカルをフィーチュアしたアトモスフェリックなサウンドスケープと激烈のダブステップの美と醜のコントラストが凄まじい「Resonates」には一撃でヤられた。かと思えばチルウェイヴィーな表題曲「All In Black」の神々しさよ、こりゃ凄いよスゴウ君。ねぇねぇ、スゴウ君や、是否女子流ちゃんの楽曲をリミックスして下さいよ、マジで(切実な願望



Title:黒紅少女の優雅な哀史
Artist:AIHISNA
Release:2013/4/29


 シンフォニック・ゴシック・メロディックでリフとドラムだけブルータルなデス・メタルのAIHISNAの通算4作目。前作『虚空少女の夢幻神話』は北欧様式美の息吹の高い壁を超えなくてイマイチ響かなかったが、今回のは良い。いい加減マンネリズム、されどマンネリズム、それで良い。なんだかロマサガ~サガフロのmidiアレンジ音源をひたすら漁っていた遠い昔の記憶が蘇ってくるのだ。Demetoriほどではないにしろメタルとしての聴き所を押さえるセンスが良い。例えば表題曲「黒紅少女の優雅な哀史」の1:54~2:26までのスピーディーな展開の中で繰り出されるリフに、久しぶりにおっ!?って興奮を憶えた。しかし、ベスト・オブ・キラーチューンは「悽愴少女の冲融幻想曲」一択に決まっているのだ。聴き給えこの素晴らしき四魔貴族感を。同人音楽のメタルで私はこういうのが聴きたかったんだよ!!あの頃の熱い気持ちが蘇ってくるんだぜ!ストリングスは古き良き昭和歌謡の文脈を継承したクールな佇まいでいながら、ギターとのリフの応酬とユニゾンが超熱いんだから堪んねぇよ!傑作『大罪少女の十字架刑』の様な可憐な煌びやかさが恋しいが、ギター・リフとストリングスのシンプルな構成で聴かせられる様になってきたのは大いに評価したい。



Title:Rouge Chocola
Artist:Cleshe
Release:2013/4/29


 溺愛最期の砦、音のアルカディアの一角を担うCleshe原点回帰の5作目。ここ二年程続いた病的な創り方から自らを開放して、改めて気楽に楽しめる作品を完成させてきた。相変わらず自分たちの好きな様にを貫く姿勢が好きだ。確かに2nd~4thまでの頭が痛くなるコアに病んだ作品像から離れて、気持ちを軽くして聴ける作品だと思った。思ったのだが、さてジャケットの娘は誰でしょう?と妄想を始めていくと、陰でClesheが北叟笑んでいる様な気がしてならない(被害妄想)。何故なら、分かる人には分かるように仕掛けているんだもの、かの魔術をね。本当に私を楽しませてくれるよClesheは。「Mensonge―退屈な遊戯―」や「地籟現象」であのフレーズが出てきたのには思わずニヤけてしまった。しかし、「地籟現象」が持つ闇と病みと美のコントラストはかのN.C.ACSの凄味と似た凄味を放つものだから驚きもある(以前から薄々感じてはいたが)。危険な香りが漂う「僕の愛しいフィーネ」のニュー・ウェイヴ・クラシカルな佇まいさえもN.C.ASCの凄味と重なって視える。『アムヴェリテの鎖』を通過して本当に深化してしまったんだな。ここまで綴っておいて一番面白い楽曲が「水沫」というオチ。これでClesheは確実に新しい境地を拓いたと言える斬新なアイデアが詰まっている。やはりClesheは独創性に優れたサークルだ。



Title:春蕾
Artist:Chocolatte
Release:2013/4/29


 今まであえてここで触れてこなかったが、Clesheの別名義Chocolatteの4作目。それぞれにそれぞれの世界観がある。だから、彼らはこうやって好きな様にやりたい事を差別化して分けている訳です。器用な人たちだ。今回どういう訳かClesheサイドを上回ってしまった。制作期間ェ。。。表題曲「春蕾」のなにこのイノセントな佇まいは!?なにこの泣かせるメロディーは!?なゆな嬢の優しい声色はClesheでは絶対に聴けない。まさかのスウィングするグルーヴで踊る「恋のルーレット」もClesheでは聴くことはないだろう。新鮮。恋の駆け引きもChocolatteの流儀で綴られているし、Clesheとの住み分けが徹底している。今回はシンプルに良い作品だった。それにしても専属グラフィッカーが違うのに共通して日傘とはなんたるデスティニー。とことん面白いサークルだよ。



Title:MIKU
Artist:ATOLS
Release:2013/5/3


 遂に出たヒューマンビートボクサーATOLS先生の初音ミク音源集。この日をどれだけ待ちわびた事か。プログレッシヴな感性を以て構築されたATOLS流の斬新なミクトロニカのベストアルバム的な作りだが、どれもが独創的なアイデアが詰まっていて胸が踊る。逆再生の異名を持つ代表曲「バベル」の終盤カウントダウンからの急転直下は何度聴いても刺激的で病み付きになるし、愛溢れた故に生まれた「マカロン」も気付けば歌口ずさんでいる。「ワンダラーズ」のヒューマンパーカッション以外はミクをシンセ化して鳴らすと言う前衛的なアイデアにはもはや脱帽である。これがATOLS先生の凄味よ!凄味はエレクトロだけに留まらず、以前から大好きな「オメガ」の様なプログレッシヴ/エクスペリメンタル・ロックでも凄まじいドライヴ感を以て魅せてくれる。神々しいダブステップ・リミックスも堪らん!ボーナストラックは大容量の13曲…ボーナスってレベルじゃないよ先生。しかも、ボートラサイドの方がガチだから笑えない。ねぇねぇ、ATOLS先生、女子流ちゃんのリミックスお願いしますよ(まだ言うか



Title:Peace of Cipher+
Artist:ELECTROCUTICA
Release:2013/4/27


 スーパー・クリエイティヴ集団ELECTROCUTICAの再編版シリーズの最新作。彼らはリスナーに自分たちの作品をどうやって届けるかを真剣に考え行動し体現している稀有なサークルだ。流通だけに限らず、リスナーが手に取って嬉しい価値あるモノを創ろうという姿勢を私は評価している(モノ作りの基本中の基本だがな)。勿論、エレクトロニカでありながら既存の枠組みに留まらない斬新なアイデアが散りばめられた楽曲も評価している。プログレやジャズ・ロックの如くジャムセッションのスリリングな表現に心酔しているし、甘いメロウネスに満ちた端整な音の調べに心が浄化されるし、複雑な楽曲展開の割に強力なポップネスが響く歌に幸福で心が満たされる。逆再生の衝撃以来追い続けてきたが、やはり大好きだ。手放しで推薦、音楽の面白さ楽しさここにあり。



Title:Sweet Splash!!!
Artist:Agemusha
Release:2013/4/28


 音のアルカディアの一角を担い、Lemm氏と並んで私をスウィート・ミクの虜にさせたほのづき氏の2作目。前作『SWEETOPIA』のコンセプチュアルな歌物語で構築した統一された世界観から離れて、「Sweetは囁くだけじゃない!」とスウィート・ミクの可能性を追究する作風へと変貌した本作。良いねぇ~その探究の精神大好きだよ。従って、絵本を読む感覚に似た童謡は無くなってしまったのは非常に惜しいが、代わりに音楽作品としての自由度が格段に向上している。また、前作とは違いアコースティック・ギターを強くフィーチュアしているだけあって、オーガニックな質感に包まれていて非常に聴き心地が良い。ポップ・ロックからポスト・ロックにドラムンベース、キャッチーなジャズ歌謡の果てはファンクと薄暗プログレを行き来する大作「KAZENOHI」で放つ凄味ェ。構築センスがプログレのそれで俺歓喜!そして、極めつけはブラックネスに満ちた暗闇を切り裂く「君に捧ぐ」カバーの大空を駆け回りたくなる程の超キャッチーさよ。アルバムの構成から見ても確信犯的なキラーチューンだ。今回何故カバーしたのかは、アルバムのコンセプトを考慮すれば納得がいく。愛だよ、愛なのだよ。微睡みを誘うメロウな「ミルクスタンド」の優しい余韻もニクい。やりたい様に自由に創られてはいるが、自由に踊らされず、ほのづき氏の独創性も息づいた優秀な作品だ。



Title:PATHFINDER
Artist:Early Cross
Release:2013/2/14


 国産プログ・メタルの1作目。当社発足時から贔屓し続けている北欧第七の奇跡Seventh Wonderと同じくモダン・プログレのインディー・レーベルLion Musicから目出度くリリースとなった。Lion Musicと言えば度々ミックス面でしょっぱい思いをしているのだが、彼らが迎えたのは当社贔屓のAnathemaやCircus Maximusでも知られる敏腕若手エンジニアのChrister-André Cederberg大先生なのだから俄然期待も高まるというもの。日本にもちゃんと耳の良いバンドが居たんだなぁ。という訳で、音質の素晴らしさは言わずもがな、やはりバンドが奏でる楽曲のレベルの高さもよく表れている。ダークなプログ・メタル「Ashes and Yarrow」「Cry Havoc」のそうそうそのリフ!感にニンマリ。Landscapeと呼称される独自性はなるほど、フォーキーでニューエイジの神秘的な質感があり、Natasha嬢の艶のある情感たっぷりのヴォーカルとのシンクロ率も非常に高い。静から動へとドラマティックにダークに展開していく14分大作「The Pilgrimage」の構築美も素晴らしい。日本からここまでの完成度を誇るプログ・メタルが出ようとは面白い時代になってきたじゃないの。2013プログ・メタルのマストな1枚。



Title:PELAGIAL
Artist:The Ocean
Release:2013/5/2


 独逸産ポスト・メタル/エクスペリメンタル・メタルの6作目。エンジニアはまさかのJens Bogren大先生という。ポスト系を先生に料理させたらどうなるのか?という疑問はあったが、なるほどこうなるのか。4作目『太陽中心説』と5作目『人間中心説』と宇宙を舞台にスケールの大きな作品を発表してきたが、今回彼らが舞台に選んだのは『大海洋』で『深海』だ。宇宙はロマン、深海もロマン。彼らから言わせてみれば≪深海は宇宙だ!≫って事なんだ。アルバムの進行と共に物語は海の深淵へと進んでいく。ブックレットにも楽曲の表題に合わせて水深を示した図が用意されていて芸が細かい(笑)。流石独逸、変態だな。水深700m付近で繰り広げらる「Mesopelagic- The Uncanny」の甘々のメロウネスと熱いラウドネスに痺れる。シンプルに格好良い。水深2600m付近へ到達すると「Bathyalpelagic II- The Wish In Dreams」と「Bathyalpelagic III- Disequillibrated」でプログレッシヴでマス/エクスペリメンタル色が強く表れ、マストド~ン宜しくのスラッジさにメシューガ宜しくの鬼神グルーヴのテクニカルさ満載でニンマリ。水深11000mに到達する頃には全身を水圧宜しく音圧で潰すスラッジ・メタルが襲いかかる。音で語る深海浪漫、2013ポスト・メタルのマストな1枚。



Title:EPITAPH
Artist:QUADROPHENIA
Release:2013/4/29


 エピタフと言えばKing CrimsonやKrik/Krakを思い出す(どんな組み合わせだよ)。次世代スーパー・クリエイティヴ集団QUADROPHENIAの墓碑銘を何とするか、とすればやはり≪ハイパー・エレクトロニカ≫だろう。神秘的なサウンドスケープのイントロダクションに続くゲストQ flavor氏による「Password」の圧倒的ハイパー・エレクトロニカさ、凄まじいまでの幻想的な音の包容力に脱帽である。メンバーの宮沢もよよも負けてはいない。そのプログレッシヴな感性が研ぎ澄まされたポップ・エレクトロニカ「祝祭と流転」の意外性のある展開と耳に焼きつく超ポップな歌メロは墓碑銘に刻むハイパー・エレクトロニカそのものだ。シェイクのビートが印象的な村上くるるによる「アニマ」の浮遊感と揺らぎもヤミツキになる。



Title:AMARGA Tarde/AMARGA Noche
Artist:Especia
Release:2013/5/22


 もーホント大好きだ。アーバン・ファンクを奏でるEspeciaの待望の2作目となる2種のEP。一部内容が異なるだけで共通のトラックも多いだけの2種類ではあるが、これを単なる商業主義的な見方で切り捨てることは出来ない。何故ならばEspeciaが武器とするアーバン・ファンクを二通りの聴かせ方で提示しているからだ。音楽と言うのは聴く環境のムードが非常に重要だ。それを本作を以って彼女達は改めて教えてくれる。西日が差す夜の帳が下りる直前の夕暮れ時に気持ち良く響くTarde、暗闇のドレスを纏い照明を着飾った街並がセクシーなNoche、その時々の気分やムードで聴きたい盤を選ぶ選択権を与えてくれる。Tardeは「スカイタイム」「オレンジ・ファストレーン」、Nocheでは「MIDAS TOUCH」がそれぞれ珠玉の出来栄えで実に気持ち良い。素晴らしい!センターに位置する「パーラメント」はこれぞEspecia流アーバン・ファンクなサウンドでイントロダクションからもう鳥肌が立つ。歌も超エモーショナルで堪らない。Especiaがここまでムードを重んじるグループだったとはたまげたなぁ。本作を以って私の中で【東の女子流】と【西のEspecia】という立ち位置が確定した。新たな音のアルカディア誕生に乾杯!

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 音のアルカディアを蒐める再生の旅が終わった。
 去る5月18日、19日と東京女子流 3rd JAPAN TOUR 2013 『約束』ツアーファイナル2Daysにて燃え尽きてきたので、ツアーの総括的なお話をしましょう。




~『約束』が女子流に与えたモノは≪試練≫か?~

 今回のツアーは決して順調なモノではなかった。むしろ、数々の危機に見舞われた茨の道だった。ゆりちゃんの「声帯炎症」、べーやま隊長の体調不良、あぁちゃんの変声期の呪縛、そしてセミファイナルでまさかのめいてぃんの体調不良による離脱。メンバー5人全員が万全な状態で臨めたステージは一つも無かったと言ってもいいだろう。女子流に一体何が起こっていたのか。
 私は『約束』のレビューにて表題のコンセプトを≪初心忘れるべからず≫とした。しかし、その実は決意新たに~等と言っていたことが戯言に聞こえるほどに生温いものではなかった。あの頃とは積み上げてきたモノも背負っているモノも大きさが違う。彼女達を襲ったかつて無いほどの重圧は試練となって目の前に立ちはだかっていた。思えば、『約束』の楽曲達はNEXT女子流への成長を促す為に施されていたのかもしれない、等とツアーを見守ってきた今ならそう思えるのだ。例えば「月とサヨウナラ」の翳りのある艶を強調した表現は他のグループでは到底打ち出すことは出来ないし、熾烈なビート・ミュージック「幻」の様な休む暇を一切与えない複雑なフォーメーションに歌唱とダンスのソロバトルの駆け引きによる面白さも観る事は叶わないだろう。それらは言わば重圧を打ち破り、試練を乗り越える為の武器だ。紆余曲折あった今回のツアーだったが、ファイナルで魅せた「幻」は最高の仕上がりだった。つまり、彼女達はひとつ試練を乗り越えたと言っても良いだろう。完全復活のゆりちゃんの歌声は音源以上の出来栄えだったし、何だかんだで一番画になるべーやま隊長のキメも最高に輝いていた。
 しっかし、ツアーファイナルまで高水準のコンディションを保っていたエースのひーちゃんは何だかんだで凄い、しか感想がない。タフとかそういう次元の話ではないのだ。パフォーマンスで魅せれば、MCでは不思議ちゃんキャラが炸裂して場を一気に和ませるわ、やはり天才肌のアーティストだ。感心を通り越して尊敬ですよ。常に誰よりも元気な姿を見せてくれた彼女に拍手を贈りたい。ホント凄い娘だよ。

以下、各メンバーについての総括。

◆庄司芽生
 ツアー前半は良いコンディションでひーちゃんと2人で不調の3名を助けながら先導していた姿が頼もしかった。昨年末頃から良い具合に砕けて、表現も豊かになってきた。「Lair」以降のダンス面を強く打ち出した演出では持ち前のスキルで魅せてくれました。特に「Overnight Sensation -時代はあなたに委ねてる-」のソロダンスのトリは毎度見事だった。セミファイナルで途中離脱は悔しかっただろうけども、ファイナルでは意地と根性を見せてくれた。決して万全ではなかったと思うが、本当によく頑張った。


◆中江友梨
 ツアー前半では歌唱を披露出来ず、悔しい思いをしただろうし、色々なことを考えただろう。毎回謝る姿を見ては心が締め付けられた。ツアー後半では歌唱に復帰し、MCでは良くも悪くも美味しい役で輝いていた。食塩水面白かった(笑)。こう言ってはアレだけど、スベってるゆりちゃんが好きです。またしけたぁ、と言うゆりちゃんが好きです。お笑いの師匠のお蔭で、スベっても開き直る術を覚えて進化したのが少し寂しいです。しかし、ファイナルの「幻」の歌唱は最高の出来栄えだったし、「約束」の低音域と高音域がしっかりしていたのには成長を感じた。ひとつ壁を乗り越えたのではないだろうか。公演後の握手会で歌唱の事を伝えられたので私はもう満足です(私事


◆新井ひとみ
 歌唱の抜群の安定感以前に、常に高いコンディションをキープし続けている事実にもう頭が上がりません。不調のメンバーが多かったツアーにおいて、常に元気で不思議ちゃんのひーちゃんがどれだけ頼もしく見えたことか、安心感があった。シュールな芸、チンプンカンプンなMC、全てがみんなを和ませて救ったことでしょう。自然体で天才的、凄いよひーちゃん。可愛すぎひーちゃん。


◆山邊未夢
 体調不良だったべーやま隊長。ツアー中心配であったが、プライドと根性でやり切った。ツアーを通して宣伝が巧くなっていたし、落ち着きが身に付いてMCも華麗に纏められるように成長していた。リーダーとしての自覚がより強くなったのだろう。パフォーマンス面ではやはり隊長のステップが好きだ。ダンスのキメ、仕草も魅力的だ。特に「幻」のキメ顔は素晴らしかった。ツアー前半ではゆりちゃんの歌割りをフォローしていたが、高音域に難有りか?と思いきや、ツアー後半ではどうしたことか歌唱に化けの片鱗が視えた。特にファイナルでの歌唱は驚いたな。体調不良とは裏腹に、どうやら覚醒し始めている。すげーよ隊長!


◆小西彩乃
 ディーヴァあぁちゃん。どうしてもイマイチ歌声が安定しない。彼女自身ブログで心境を吐露する程であったし、苦しみもがき続けていたのだろう。しかし、セミファイナルでは復調の兆しが視えたし、ファイナルでは何だかんだでディーヴァの貫禄を取り戻しつつあった。低音域は大分安定していたし、歌声の艶と深みはずば抜けている。完全復活まであと少しか?今と昔の自分は違う。このまま焦らずに今の自分に合った歌唱スタイルを模索して欲しい。ファイナルの状態からすると、何か手掛かりを見つけ始めているような印象を受けた。MCでは何かと場を繋ぐ役回りが多く、やはり何かと頼りになる存在感があった。セミファイナルでのめいてぃん離脱による内容変更の謝罪で隊長をフォローしていたのも印象に残っている。視線だけで迅速に動けるあぁちゃんの頼もしさに感服致しました。


 今回のツアーはライヴの新たな魅せ方と実験的な試みで女子流の可能性は広がった。『約束』のその先のNEXT女子流は今まで以上にもっと色々な事が出来るだろう。その第一弾として『スレスレTV』連動ライヴでまた新しい事を始めようとしているのだから、チーム女子流のクリエイティヴさは依然活発だ。そういえばDreamのカバーは海外進出の足掛かりにするようだが、ゆくゆくはオリジナルの楽曲でクリエイティヴに魅せつけていって欲しい。多分魅せ方という点で壁にぶち当たると思うが。

 さて、確かな成長≪NEXT女子流≫を魅せつけてくれたファイナルも終わって、続くは来月発表の『運命』だ。思いっきりファンク路線に還ってきた女子流ならではの黒いサウンドで、あくまでも独自性を深めていくことを選択したようだ。そして、彼女達は再び大人の女性を演じる。その全容は6月5日に分かることでしょう。

 それではNEXT女子流『運命』でまたお会いしましょう。
 人が抱くイメージとは、本当の自分とはかけ離れたモノだ。
 あの日を以て竜美悠という人間は死に、Dream Cageが崩壊した今となってはもう無意味な話だが。
 ≪約束≫のその先を求めて、それは音のアルカディアを蒐めて自らを再生する為の旅。
 4月20日より始まった東京女子流 3rd JAPAN TOUR 2013 『約束』を東京⇒名古屋⇒大阪⇒仙台と巡って一区切り着いたので、その話をしよう。
 
 

4月20日@ZEPP TOKYO
―Set List―
01. Bad Flower
02. それでいいじゃん
03. Don't Be Cruel
04. We Will Win! -ココロのバトンでポ・ポンのポ~ン☆-

05. Love like candy floss
06. Get Over
07. My Will
08. 月とサヨウナラ
09. Regret.
10. Liar(RE-NDZ Remix)
11. きっと 忘れない、、、
12. 幻
13. ディスコード
14. Overnight Sensation -時代はあなたに委ねてる-
15. 運命
16. ふたりきり
17. ヒマワリと星屑
18. 大切な言葉
19. 約束
20. Attack Hyper Beat POP
21. おんなじキモチ
22. 頑張って いつだって 信じてる



~ゆりちゃんの歌が聴けない悲しみ~

 『日本縦断アイドル乱舞2013』以来となる女子流ちゃんのライヴ、ツアー初日の東京公演ではゆりちゃんこと中江友梨は喉を痛めている為、歌を控えるとのアナウンスがあった。FCイベントの時から喉に不調を訴えていたし、結構長引いている。彼女はこれからの女子流ちゃんのキーパーソンに成りうる可能性を秘めているだけに非常に心配だ。とは言え、彼女の歌が聴けない事が私のテンションにもかなり影響したのも事実で。。。歌が歌えない事を謝りながらもダンス・パフォーマンスで頑張る事を宣誓していたあの儚さにもう泣いちゃうわ。。。

~悪の華からの三連打が最高~

 アルバム『約束』の構成に沿ってあのイントロから悪の華に繋がり女子流ちゃんが登場。楽曲が持つ漆黒のイメージとは真逆の淡い水色の衣装のマント姿が爽やかで可愛かった。まさに妖精、まさに天使、やはりチーム女子流の衣装は素晴らしい!そして、今回のツアーで初披露となる#02「それでいいじゃん」がやはり良かった。この黒いグルーヴ、バウンスするグルーヴと歌のポップネスのバランスこそ女子流ちゃんの真髄よ!思わず顎でリズムを感じながら身体を揺すってしまうのが非常に心地良かった。振り付けもラフな感じが可愛く、キメのポーズも彼女達に似合っていた。ここ数ヶ月の間ライヴで観ていなかったツンデレ・ソング#03「Don't Be Cruel」に続いたのは本当にテンションが上がった。MCを挟んでの#04「 We Will Win! -ココロのバトンでポ・ポンのポ~ン☆-」も相当久しぶりで、歌とリリックが心温まるユーフォリアに満ちた良い曲だ。立て続けに大好きな楽曲が続くと、ゆりちゃんの歌不在でもテンションはアガる。日武公演以来となる#08「月とサヨウナラ」の艷やかな椅子パフォーマンスはやはり魅入ってしまった。なんつーか、色んな要素がスゲェ曲だよなぁ。

~NEXT女子流の片鱗、『約束』のその先の新世界~

 今回のライヴで最も驚いたこと、それは第二幕にある。今回のツアー・コンセプトを強く意識しているのがこの第二幕なのだと思う。#10「Liar(RE-NDZ Remix) 」のイントロと共に、ブラックライトによってネオンカラーのラインが光る衣装で登場。というか、え!?「Liar」をあのRE-NDZ Remixでやっちゃうんですか!?マジかっ!?一気にテンションがMAXに上昇したのを未だに覚えている。松井先生リミックス以外のリミックスをライヴでやっちゃうんだ!?ワクテカが止まらないとはこの事である。事実、RE-NDZ Remixをフロアで聴きたいと願ってはいたが、まさかの展開だった。EDMと化した「Lair」に色んなネジが吹っ飛んで狂ったように踊った!女子流ちゃんは踊る、私はミラーボールに向かって吠える。女子流ちゃんが踊る、私は吠える。ちょー気持ち良い、何も言えねぇ。北島康介とおんなじキモチになれた気がしたよ(なんだそれ)。これが『約束』のその先の新世界なのか。

~しかし、「幻」が本当に幻に・・・~

 3rdフルレンス『約束』屈指のキラーチューンである#12「幻」が遂に初お披露目となった。この日をどれだけ待ちわびたことだろうか。再び私はミラーボールに向かって吠える。ミラーボールが銀月に見えてきた頃合である(幻覚です)。エグいビートとベースラインが身体に突き刺さって滅茶苦茶気持ち良かった(病気です)。しかし、しかしだね、私はこの楽曲の鍵を握っているのはゆりちゃんだと思っているんだ。彼女の覚醒を予感させる堂々たる歌いっぷり、彼女のイカした節回しが楽曲と高いシンクロ率で同調しているのが、「幻」最大の魅力とさえ思っている。彼女の歌不在はあまりにもダメージが大きく、あの表現と節回しは他のメンバーではカバーしきれない事を実感してしまった。「幻」が文字通り幻になってしまうとは、こんなのシナリオにないよ。。。

~再び『約束』のその先へ~

 テンション上がり下がりの迷子になっても第二幕は本当に驚かせてくれた。#14「Overnight Sensation -時代はあなたに委ねてる-」もその一つで、まぁなんてことないカバー曲なのだが、手拍子で迎える間奏で一変。ダブによって強烈な重低音が腹に響くEDMのダンス・パートがカットイン。第二幕がアグレッシヴに攻め過ぎで思わず笑いが漏れてしまった。すげぇ・・・もうそれしか言えない。これが『約束』のその先、NEXT女子流なのか。6月にリリースされる新曲#15「運命」を女子流らしくいつも通りライヴで先行披露。曲調は地味な印象を受けたが、ファンキーなグルーヴはやはり良かった。それだけなのだけど、淡白な感想が後日吹き飛ぶことになるとは思ってもみなかった。

~実験的アンコール~

 なんだかんだでチーム女子流は現代のメジャーなSNSツールをうまいこと使いこなしていると思う。アンコール一曲目を選出された4曲よりTwitterのRTで投票し、ファンが選ぶという試みを今回のツアーで導入してみたようだ。その模様を衣装替えの時間を使ってUstreamでライヴ配信する。実績の女子流なんてどこかで謳われている様だが、結局こうやって点と点を繋げてクリエイティヴに新しい事を追究しているからなんだろうと思う。だから、面白いし、ワクワクする高揚感もある。で、本題の投票によって決まったのは王道も王道の誰もが納得の「AHBP」。ですよね~しか言えなかった(笑)。これ投票の意味あったのだろうか(それは言ってはいけない)。めいてぃんの告知タイム後は、伝家の宝刀#21「おんなじキモチ」からの#22「頑張って いつだって 信じてる」のリミット・ブレイク・コンボで〆。やっぱこれだよなぁと唸るね、うん。ただ、やはり完全燃焼とまではいかなかった。。。


4月27日@ZEPP NAGOYA
―Set List―
01. Bad Flower
02. それでいいじゃん
03. Don't Be Cruel

04. キラリ☆
05. 僕の手紙
06. Get Over
07. My Will
08. 月とサヨウナラ
09. Regret.
10. Liar(RE-NDZ Remix)
11. きっと 忘れない、、、
12. 幻
13. ディスコード
14. Overnight Sensation -時代はあなたに委ねてる-
15. 運命
16. ふたりきり
17. ヒマワリと星屑
18. 大切な言葉
19. 約束
20. Love like candy floss
21. おんなじキモチ
22. 頑張って いつだって 信じてる



~続・ゆりちゃんの歌が聴けない悲しみ~

 東京公演より一週間で復調するとは思っていなかったし、無理もして欲しくなかったが、一方で彼女の歌が聴きたい想いもあり、アンビバレンスに揺れる複雑な心境だった。最初のMCで謝る彼女に「ゆりちゃんがんばってー!」とエールを送ることくらいしか出来なかった。テンションは上がらない。私はどうしようもなく無力だ。。。

 今回のツアーでは4曲目と5曲目が公演各地で異ならしく、名古屋公演ではしっとりしんみり聴き入るセットリストだった。アンコール投票も「AHBP」を退けて#20「Love like candy floss」だったのは予想外だった。良い意味で期待が外れると、やはり面白い。ただ、やはり不完全燃焼。他に特筆することと言えば、ひーちゃんのシュールな手羽先ポーズか。いろんな意味で彼女がやはりエースなんだろうと思った(酷い感想


4月28日@ZEPP NAMBA
―Set List―
01. Bad Flower
02. それでいいじゃん
03. Don't Be Cruel
04. Limited addiction
05. ゆうやけハナビ

06. Get Over
07. My Will
08. 月とサヨウナラ
09. Regret.
10. Liar(RE-NDZ Remix)
11. きっと 忘れない、、、

12. 幻
13. ディスコード
14. Overnight Sensation -時代はあなたに委ねてる-
15. 運命
16. ふたりきり
17. ヒマワリと星屑
18. 大切な言葉
19. 約束
20. キラリ☆
21. おんなじキモチ
22. 頑張って いつだって 信じてる



~ゆりちゃんの歌が聴けない悲しみは更に深く…~

 あぁ、もういいって?\ゆりちゃーん!!/私が言いたいことはそれだけである。ホームの大阪で歌うことが出来ない現実に、彼女の潤んだ瞳が印象に残った。心が締め付けられる。私はどうしようもなく無力だ。。。

~それでも女子流ちゃんにハマっていく~

 大阪公演はなんかもうアーバン・ファンク#04「Limited addiction」が観られただけで価値があった。大阪忘年会以来で、本当に嬉しかった。ポイントアンケートにしつこく答えておいて良かった!ゆりちゃんの歌不在でも嬉しいとやはりテンションは上がるもので、悲しいかな「Liar」のRE-NDZ Remixで毎回踊り狂ってしまう。あの音を体感してしまったら踊る他ないのだ。静観不動の構えなど無理無理無理むーりーやーでー。

~隊長が心配です~

 ゆりちゃんゆりちゃん五月蝿いが、一番心配しているのがべーやま隊長だったりしてね。名古屋公演でも気掛かりではあったが、舞台裏から長いこと戻ってこない時間が必ずあった。その間を4人のマイペースなグダグダ寸前トークとひーちゃんのシュールなパフォーマンスでカバーして、暫くすると隊長が戻ってくる展開なのでうまいことやっていた。ただ、この日は#08「月とサヨウナラ」の椅子パフォーマンスでらしくないミスもあり、心配は増すばかり。ただ、彼女だけに限らず、ゆりちゃんの歌割部分が抜けたり、小さなミスも目立ち全体的に仕上がりは良くなかったかなぁ。安定感があるのが相変わらず、ひーちゃんとめいてぃんだけだからね。ひーちゃんはシュールさに拍車が掛かっていた。この娘は本当に凄いよ。。。


5月5日@RENSA
―Set List―
01. Bad Flower
02. それでいいじゃん
03. Don't Be Cruel
04. 鼓動の秘密
05. 追憶

06. Get Over
07. My Will
08. 月とサヨウナラ
09. Regret.
10. Liar(RE-NDZ Remix)
11. きっと 忘れない、、、
12. 幻
13. ディスコード
14. Overnight Sensation -時代はあなたに委ねてる-

15. 運命
16. ふたりきり
17. ヒマワリと星屑
18. 大切な言葉

19. 約束
20. キラリ☆
21. おんなじキモチ
22. 頑張って いつだって 信じてる



~ゆりちゃんの歌が聴ける喜び~

 2日前の福岡公演にてゆりちゃんが歌唱復活。悲しみに暮れ続けた私には朗報だった。友人に会いに行ったコミティアを後に仙台へ向かう私の足取りは実に軽かった。ゆりちゃんの歌が聴ける!ゆりちゃんの歌が聴ける!完全体の「幻」が聴ける!私の頭にはそれしかなかったね。新幹線で食べたお弁当もいつもより美味しく感じたくらいさ。

~無垢の蕾はゆりちゃん復活の福音~

 仙台公演では名曲#04「鼓動の秘密」が観られただけで価値があった。ポイントアンケートにしつこく答えておt(ry この楽曲は歌い出しがゆりちゃんでさ、無垢の蕾が彼女の復活を祝福していた様に聴こえたんだ。勿論、全力でゆりちゃんコールしたさ。東京女子流1stフェーズの記録では究極のイノセンスを放っていたが、成長した今ではそれとは違うミステリアスさを纏い始めていて、成長と共に新たな魅力を見せてくれるのが面白いなぁと感心してしまった。

~幸福との対面、「幻」完全体に涙~

 第二幕の幕開け、#10「Liar(RE-NDZ Remix)」のEDMと#11「きっと 忘れない、、、」でガッツリ踊り狂った後は、本当に本当に待ちわびた#12「幻」の完全体にテンションは最高潮に。ヴァースのゆりちゃんの高低凛々しく響く歌声にゾクゾクきたし、コーラスのあのイカした節回しがもう本当に最高だった。一番の聴き所であるツーコーラス目のヴァースとブリッジのあの高音域の声の抜け方もホント素晴らしかった!こ れ が 本当の「幻」だよ!!幸せ過ぎて泣いた。あの日視た銀月はいつもより大きかったなぁ(それはミラーボールです

~しかし、隊長が心配です~

 EDMから始まる第二幕ってダンスを尖らせている分やはり相当ハードなんだな。名古屋公演の頃から気になり始めていた、隊長舞台裏から帰ってこない、は仙台公演でもいつも通りやり過ごしていた。が、時折キツそうな表情が遂に見えてしまった。それでも#16「ふたりきり」のブリッジで魅せる良い表情は流石だったし、#19「約束」での歌唱は今まで聴いてきた中で最も表現力があったし、隊長のプライドと根性を感じた。スゲェよ隊長。。。でも、無理しないで。。。

~5月5日はキラリ☆記念日、隊長の涙は美しい~

 仙台公演のアンコール曲はまたもや#20「キラリ☆」に決定(またとか言うな)。他の候補にはあのスウィングするグルーヴが快感のジャズ歌謡「孤独の果て~月が泣いている~」があってだね、私はあの楽曲が超好きでさ、Twitterで聴きたい言っておいて良かった!と歓喜も束の間、「キラリ☆」には歯が立たなかった。しかし、この日アンコールに相応しかったのは「キラリ☆」しかなかった。3年前の5月5日、「キラリ☆」というイノセンスな楽曲は世に放たれた。5月5日はチーム女子流にとって大切な日、ツアーの表題「約束」に対しても大きな意味を持つのだから、なんだかんだで納得してしまった。楽曲披露後、台本にはないS竹氏の登場と戸惑う女子流ちゃんが面白かった。が、S竹氏のファンを代表して女子流ちゃんへの激励の言葉を代弁していたのにはうんうん頷くしかなかった。そうです、そうなんです、女子流ちゃんの頑張りが私の生きがいなんです。言葉にすると胡散臭くて普段は言葉にしないが、言葉にして言わなければ伝わらない想いもあるだろう。5月5日と言う記念日をみんなで祝福出来たこの多幸感たるや。代表して花束を受け取ったべーやま隊長が流した涙が美しかった。仙台公演、巡ってきた公演の中で一番良かったよ。


◆ツアー巡回総括
・ゆりちゃんの歌が聴けなくて凹む
・でも、無言でジェスチャーするゆりちゃんも可愛い(ダメだこいつ
・Dreamのカバー2曲を組んだ理由がよく分からない
・まさかの「Liar(RE-NDZ Remix)」に歓喜
・踊り狂ってミラーボールが銀月に見える様になる
・『約束』のBDにDJ REMIX収録は今回のツアーへの布石だったなんてこった
・NEXT女子流「運命」はヤバイしか言葉が見つからない
・ツアーならではの実験的な試みは中々面白かった
・トータルしての満足感は70~80%くらいか…
・握手会は高速くらいが丁度いい
・べーやま隊長のテクニカルな手羽先の食べ方は私には出来なかった…
・ライヴ後に食べた大阪の某お好み焼き屋がやはり旨かった
・ゆりちゃんが歌う「幻」がホント最高
・5人で唄う歌のハーモニーがやっぱり良い
・でも、べーやま隊長が心配です
・最高の仙台公演後は牛タンと温泉で幻想入り
・二夜連続で牛タン。だって旨いんだもん
・女子流ちゃんお薦めの喜久福さんが美味しかった
・「ワンダフル スマイル」の聖地巡礼として松島を堪能してきた
・ツアー巡りで辿り着いた悟りの境地

≪世界は女子流ちゃんを中心に廻っている≫


もう、恐れるものは何もない。

Title:5TH DIMENSION
Artist:ももいろクローバーZ
Release:2013/4/10


-Track List-
01. Neo STARGATE
02. 仮想ディストピア
03. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
04. 5 The POWER
05. 労働讃歌
06. ゲッダーン!
07. Z女戦争
08. 月と銀紙飛行船
09. BIRTH Ø BIRTH
10. 上球物語 -Carpe diem-
11. 宙飛ぶ!お座敷列車
12. サラバ、愛しき悲しみたちよ
13. 灰とダイヤモンド

-Total 1:07:53-



 あらゆるモノが島宇宙化している現代において、ひとつのムーブメントが起きても外に飛び出すエネルギーが生まれなければ結局小さなパイを奪い合う事になり、疲弊した文化は最終的に衰退、或いは消滅の道を辿るというのが世の常というもの。“アイドル戦国時代”もまた然り。閉塞した病的箱庭の壁を破壊し、他の島宇宙と繋がるエネルギーが昨今のアイドル界隈全体に生まれている訳ではない。

 私はももいろクローバーZについて詳しくは知らない。しかし、彼女達の成功例を省みるならば、他の島宇宙の異文化とコミュニケーションを積極的且つ地道に継続してきた事が、昨今の結果に繋がっているのだろうと私は思う。アイドルとはこうである、と言うイメージの固定化を避けながら異文化への露出を続け、世代・性別・ジャンルの壁を越え領土を拡大していった。こうした一連の行いはある意味アヴァンギャルドでプログレッシヴ、しかし、今の時代を切り拓いたミュータントな正統派アイドルと言えるのかもしれない。本作『5TH DIMENSION』はそんなももクロ流儀のバロメーターが振り切れた、奇を衒い過ぎとも言えなくもない奇抜なヴィジュアル・イメージが先行するアヴァンギャルドな作品で、音楽的にも外の世界への目配せに余念がない。それは“ももクロらしさ”に応えつつも固定化をあえて回避しながら新しい世界≪第五次元≫を提示するかの様で。結果的にそれは見方によって良くも悪くもが表裏一体に表れてしまっている。

 例えば、8分越えダブステップ大作の#01「Neo STARGATE」やブレイクビーツ~ブロステップ~EDMへと展開していく#09「BIRTH Ø BIRTH」等の本格的なエレクトロ・サウンドはややポップネスに乏しく、彼女達のパフォーマンス(ダンスではなくヲタ芸的なナニか)を推進する様な強い結び付きは連想し難い(仮に彼女達がPerfume並のダンス能力を擁しているのならば話は別だが)。また、#04「5 The POWER」の様な裏拍を顎で感じながら体を揺すりたくなる図太いブラックネスはもはや違和感すら覚える。しかし、そう感じてしまうのは彼女達の“全力”という固定化されたパフォーマンス・イメージに縛られているからであろう。楽曲はどれも嫌いではない、むしろどれも大好きだ。ただ、これらの楽曲は彼女達が中心に据えられているかどうかという意味では失策に見えるというだけの話で、私には楽曲と彼女達の間にシナジーが生まれている様には感じられなかった。

 アルバム曲の全てがそう、という訳ではない。#02「仮想ディストピア」の痛快なオルタナティヴ・ロックは元気な彼女達と同じベクトルで楽曲が爽快に響いているし、ワルツ調プログレの#08「月と銀紙飛行船」はシアトリカルな演出が彼女達の物語を彩り、旅路の先に抱く期待と不安がウェットに心地良く響く傑作だ。前山田健一氏作曲の#13「灰とダイヤモンド」は彼女達との結び付きを強く感じさせる、美しいプログレ・バラードで切ない余韻がとても心地良い。

 アルバムのオリジナル曲たちが音楽的に外の世界とコミュニケートした事によってややコアに寄り、そして全体的に肝心なポップ・ミュージックとしてのポップネスを損なっているのに対し、シングル曲#03「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」#05「労働讃歌」#07「Z女戦争」#12「サラバ、愛しき悲しみたちよ」の4曲は流石に質が高く、何より楽しい。そして、コアなアルバムに組み込まれた事によって、ポップネスはより輝きを増し、面白可笑しくもキャッチーさが際立ち、非常に魅力的に映る。結局のところ、ももクロだからこそ栄える楽曲と言うのは究極的に言ってシングル曲のみの様な気がしてならない。

 以上の様に本作は楽曲自体の主張が強いモノと楽曲をももクロ色に染めているモノが共存していて、≪第五次元≫の姿は実に歪だ。特に前者に関しては、進化と言うより変態化したマスク姿が私にはシニカルに楽曲と重なって映る。しかし、音楽的には面白く聴き応えのある楽曲が揃っているし、プログレッシヴ・ロックの如く永く愛聴出来そうな音盤だと言う実感もある。それと引き換えに、やはりアイドル歌謡としての清涼感のあるキャッチーさは希薄で、ポップ・ミュージックとしてはイマイチ、という裏の面もある。こうした表裏一体の作品構造は音楽そのものが好きか、或いはアイドル歌謡が好きか、果てはアイドルが好きかの意識の違いによって評価は大きく分かれるだろう。ある意味リトマス紙的な作品で、それはそれで面白いかもしれないとも私は思う。

 ≪第五次元≫のコンセプチュアルな構造は全てが全て成功とは言えないし、明らかに攻め過ぎて失策に陥っている箇所もある。しかし、アイドル歌謡の一極化が進む中で、あえてその病的な箱庭化を避ける為に外の世界とのコミュニケーション意識を絶えず持ち続けている彼女達は、ある意味異端だが、その予測不能さは私達を楽しませてくれる(つい先日もOzzfest Japan 2013への出演が決定したりと相変わらず話題に事欠かない)。積極的な異文化コミュニケーションの結果は時として失敗でも良いではないか。失敗は彼女達をより強くするだろうし、何よりそこにドラマが生まれる筈だ。失敗を恐れていては何も出来ない。新たな世界≪第五次元≫へ至る為には、進化や成長の過程において失敗はどうしても避けられないものなのだから。そんな本作は人間味があって中々悪くないと思えるんだ。


Title:SPIRITUAL MIGRATION
Artist:Persefone
Release:2013/3/29


-Track List-
01. Flying Sea Dragons
02. Mind as Universe
03. The Great Reality
04. Zazen Meditation
05. The Majestic of Gaia
06. Consciouness Pt.1 : Sitting in Silence
07. Consciouness Pt. 2 : A Path to Enlightenment
08. Inner Fullness
09. Metta Meditation
10. Upward Explosion
11. Spiritual Migration
12. Returning to the Source
13. Outro

-Total 1:10:34-



~お久しぶりです、冥界の女王様~

 東京女子流を実装しておきながらここにきて何故かメタルに戻る気まぐれっぷりとは是如何に。まぁ、5年間いつでも気まぐれでやってきた事だし、最近聴いてる音盤でちょいと付き合いの長いバンドだから何か書き残しておこうと思ってなー。という訳で、アンドラ公国の冥界の女王Persefone様です(※中身はみんなオッサンです)、プログレッシヴ・シンフォニック・メロディック・デス・メタルです。自分の昔の記事読み直しながら記憶を掘り起こしていくか。ちなみに、アンドラ公国と言うのはおフランスとスペインの国境の山間地帯にあるちっさい国です。

 本作は前作『SHIN-KEN』(邦題:真剣)より4年振りとなる通算4枚目の作品だ。前作発表後、Sound Holic(東方ではない)が事実上倒産し、束の間の日本デビューも夢物語へと潰えてしまった訳で、宮本武蔵をコンセプトに据えるくらい日本好きーな彼らにとっては悲劇以外の何者でもなかっただろう。解散していなければ良いなぁとさえ私は思っていたさ。その後の彼らはイタリアのレーベルに移り『SHIN-KEN』を再リリースし、現在のスウェーデンのレーベルに落ち着いて今日に至るようだ。幸いなことに今度はメンバーが変わってない、やったー。そんな紆余曲折あった内にもう10年選手になってしまった様で、そういう訳か本作『SPIRITUAL MIGRATION』には10周年の記念碑的な意味や心機一転と言った意味が込められているんだろうね。巨匠トラヴィス・スミス大先生のアートワークも彼らの新たな門出に華を添えている。


~一言感想「どうしちゃったのCORE」~

 さて、ここからが本題だ。Persefoneの作品で私が好きな作品は神話物語組曲集の2nd『CORE』一択なのだが、前作から4年、4年という歳月は長い。4年の歳月は私の持っていた印象さえも大きく変えてしまうのか。本作を初めて聴き通した後の率直な感想は「なにこれ私の好きなPersefoneじゃない!」だった。例えば高速で忙しなく変化するリフは印象に残らないし、プログレと言うよりはテクニカル志向なマス化してる印象だったし、クリーン・ヴォーカルが何かバッキングと調和取れてないし、とりあえず叙情性は希薄な印象だし、何より緩急が効いてない(私にとって一番痛い)…おいおいおい、ネガティヴ尽くしじゃないか。しかし、私のファーストインプレッションは実際こんなものである。2nd『CORE』や3rd『SHIN-KEN』の丁寧に展開していく構築美を評価していた私の感性には、あの頃のPersefoneではない全くの別物に映った。どうしちゃったのCORE(コレー)。。。


~いや、今度こそ本当に冥界の女王に成ったんだ!~

 例え第一印象でテクニカル至上主義的な演奏がちょいと鼻につこうとも、今のPersefoneは以前に比べて格段にテクニカルに成っているし、元々高かった演奏力は更に進化している事実だけは認めなければならない。細々とした超高速ユニゾンのオンパレードなんかはマス・メタルの如しで、ちょっと過剰に聴こえるくらいでさ。で、忘れちゃならないのが09年から今日までの間にメタル界隈には【Djent】って一種のムーブメントがあった訳で、それがPersefoneのバッキングリフにも少なからず影響しているんだな。これが叙情性が希薄になってしまっていると言うか無機質になってしまっている原因なのやもしれない。良い悪い別として、実際没個性なDjent勢に比べたら巧い扱い方していると思う。ただ、ショートトラックの#10「Upward Explosion」はDjentが露骨過ぎるけど。

 ここまで割と散々なことを綴っておきながら、結局嫌いではないんだよ。むしろ好き。テクニカル志向もDjentもね。だから、「なにこれ私の好きなPersefoneじゃない!」とは言いつつも結局聴き込んでる訳で、やっぱり徐々にしっくり馴染んでくる。「ちょっとやり過ぎだろ~」と冷静に俯瞰する自分が居ながら、超絶技巧にちょっとワクワクして興奮している自分もいて、何だか気持ち悪い。個人的には#05「The Majestic of Gaia」が特に好きで、3:06~シンフォニックなオケとDjentのスロウ・グルーヴィなタメ、ナレーションからツインリードの高速ユニゾン、4:16~ツインリードとキーボードの高速シュレッド・ユニゾン、息をする暇も与えずにあれよあれよと超絶技巧を仕掛けてくるもんだからウハウハと妙な笑い声が漏れてしまう。邪悪な咆哮が残響する5:48以降の後半はチルアウト・アンビエントの癒しの間を置き、シンフォニック且つ叙情的でメロウなパートへと展開していく。あれ?緩急も叙情性も構築美もあるよ?クリーン・ヴォーカルの表現もエモーショナルで良いよ?あれれ?私の感じた第一印象とは何だったのか。
 シームレスに続くインスト組曲の#07「Consciouness Pt. 2 : A Path to Enlightenment」は本作のエクストリームでマス/テクニカルなヴォーカル曲に比べて従来のPersefoneらしい美しいプログ・メタルで実に好みで安心感も得られる。
 表題曲#11「Spiritual Migration」はスペクタクルなシンセワークとDjentを自在に組み込んだ複雑なリフワーク、ユニゾンの連続プレイが見事だ。#12「Returning to the Source」は箏をフィーチュアしたシンセで和を醸すのが非常に印象的で、演奏は相変わらず壮絶でテクニカル・デスからプログ・メタルまで軽々こなす超絶アンサンブルを繰り広げていて変な笑い声が漏れる。
 ちゃんと聴けば何だかんだでスゲーよ冥界の女王様ってなる訳だけど、結局チルアウト・アンビエントな#13「Outro」が一番美しくて綺麗っていうね。やっぱりこういう楽曲書けるセンスあるんだよなぁ。ともなると、本作にコレジャナイ感を感じると同時にいやいやこれがPersefoneですよと感じる部分もあって何だかとても気持ち悪い気分さ。そんな気持ち悪さを納得させるなら、こりゃもう「今度こそ本当に冥界の女王に成ったんだ!」って思うしかないじゃないですかー。


~COREからPERSEFONEへ精神移行~

 まぁ、前項は別にこじつけとかではなくてさ、本作のコンセプトに沿ってある程度の根拠を確信したからこそ最終的に本作を好意的に受け入れることが出来ているんだ。表題『SPIRITUAL MIGRATION』は彼ら自身の変化を提示しているんだろうと思ったし、それを作品を以て証明しているんだろうとも思った。要はコレーからペルセフォネへの精神移行、今度こそ真に冥界の女王へ変貌を遂げたって事になるんだ。恐らく次回作辺りで冥界の女王の威厳を増したPersefoneの決定盤が来るんじゃないかなぁと睨んでます。4年も経てば私の音楽の嗜好も変わるとは言え、最終的には好意的に楽しむことが出来て良かった。ちなみに第一印象から印象が良かったのはMark Martinsのグロウルが強力に進化していた事でした。マーク君やるぅ♪(何様

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管理人

竜美 悠(You Tatsumi)
サンキュー!
アラーイさーん♪

島に転職しました。
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